円安が日本経済にとって「チャンス」である理由

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数量政策学者の高橋洋一が10月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。円安による日本経済への影響について解説した。

円安が日本経済にとって「チャンス」である理由

東京外国為替市場の円相場は一時1ドル=149円90銭台となり、円安が進行した=2022年10月20日午前、東京都中央区 写真提供:産経新聞社

円安によって物価は上昇するが

飯田)為替について、円安が進んでしまうと大変だということがメディアでもいろいろと言われています。ツイッターで“ガレオン”さんからいただきましたが、「やりすぎると為替操作国に認定されかねないから、という立場なのではないか」という指摘がありました。

高橋)そんなことを言ってしまうと、外貨準備を持っていること自体、そういう言い方になってしまいます。3年債なので、本来は3年後に落ちるはずなのですが、もう1回ドル債を買っているというのが……。

飯田)買い替えているというような。

高橋)そちらの方が認定されてしまう可能性は高いと思います。

飯田)これだけ外貨準備を持っているということは、「何かあったら為替に介入するつもりでしょう?」と思われてしまう。

高橋)「もともと介入しているから残高があるのでしょう」という言い方でもあります。

飯田)なるほど。逆に怪しまれてしまうのですね。

高橋)そうですね。

近隣窮乏化政策 ~円安の方が日本は儲かる

飯田)いま円相場が148円ちょうど付近ということで、「円安によって物価が上がっている」と言う人もいます。

高橋)このようなときは少し歴史を考えればいいのですが、近隣窮乏化政策について調べてみたらいいと思います。

飯田)近隣窮乏化政策。

高橋)近隣窮乏化政策というのは、自分の国の為替を安くすることによって、自分の国は儲かるけれども他の国は大変になるという意味です。

飯田)自国は儲かるけれど。

高橋)つまり、自国通貨安は自分の国にとってはいいのです。大恐慌のときも各国が行いました。歴史で習ったはずです。自国通貨安の方が、為替相場が安くなった方が実はGDPが伸びるというのは、古今東西同じです。もしこれが違うと言えるのであれば、ノーベル賞を獲れるぐらいです。

飯田)円安をチャンスとして。

国際通貨基金(IMF)の予測でも日本(2023年)は1.6%成長 ~企業収益が過去最大

高橋)GDPが伸びるので間違いなくチャンスです。世界経済見通しでも日本だけ成長率が高くなっているのは、完全に為替の下駄を履いているということです。

飯田)国際通貨基金(IMF)の予測で、2023年の日本は1.6%成長と見られています。アメリカは1.0%ですよね。

高橋)(日本は)他の国より高いです。なぜかと言うと為替ですね。法人企業統計を見ると、「企業収益が過去最大」とたくさん並んでいるではないですか。

飯田)そうですね。

高橋)企業によって違いはありますが、日本国全体だと過去最高基準というのは間違いありません。2023年度の法人税収と所得税収はすごく上がります。

飯田)特に輸出など、海外と取引するところは非常に有利になっていく。

高橋)輸出があまり伸びていないという言い方をしますが、現地生産に変えているので、現地からの投資収入という形になるのです。名目は少し変わりますが、儲かることは同じです。

飯田)そのお金をもう少し日本に還流する仕組みのようなものをつくったらいいのでしょうか?

高橋)だから、日本で最も儲けているのが政府の外為特会だと私は言っているのです。

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