ジャーナリストの有本香が11月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。葉梨康弘前法務大臣、寺田稔前総務大臣が相次いで辞任したことを陳謝した岸田総理について解説した。
岸田総理大臣が閣僚の相次ぐ辞任で陳謝
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岸田総理大臣は11月21日の衆議院本会議で、葉梨康弘前法務大臣と寺田稔前総務大臣が相次いで辞任したことについて陳謝した。立憲民主党の安住国対委員長は記者団に対して「岸田総理の決断は遅きに失した。外遊に行く前に葉梨前法務大臣の更迭と同時に寺田大臣を辞職させるべきだった」と述べた。総務大臣の後任には松本剛明元外務大臣が起用された。
葉梨康弘前法務大臣も寺田稔前総務大臣も官僚出身
飯田)「辞任ドミノ」と言われていますが。
有本)辞任の理由はそれぞれ違うのですが、気になったのは、葉梨康弘前法務大臣も寺田稔前総務大臣も、官僚出身ですよね。
飯田)確かにそうですね。葉梨さんは警察官僚、寺田さんは大蔵官僚です。
有本)本来、発言はもう少し慎重にするべきですし、政治資金等々に関しても、「そういうところから漏れるかね」という感じです。もう少し堅く行うべきです。しかも両方とも宏池会でしょう。
飯田)同じ派閥で、岸田さんからすれば足元です。
有本)足元ですものね。そういう点では総理ご自身が決めた人事ですけれども。「辞めた」ことについては仕方がありません。
今回の東南アジア外遊では外交の成果を出した岸田総理
有本)今回、ミャンマーの件などもあり、岸田総理が東南アジアに外遊に行かれました。
飯田)そうですね。
有本)確かに、辞めさせられるのであれば、「なぜ行く前に辞めさせなかったのだ」という話なのですが、今回、外交は頑張っていらしたのです。岸田総理の周りの人から話を聞くと、相当、力を入れて臨まれたということです。
飯田)8日間の日程で3ヵ国を回り、いろいろな首脳と会いました。
有本)習近平国家主席とも3年ぶりに会談しました。相当な準備をされていたと思うし、実際に発言を見ると、かなり踏み込んだことも言っています。
人権問題に関しての発言にはヨーロッパの議員も高く評価 ~タイミング悪く、そのことは日本国内には伝わらない
有本)本来であれば、「よく頑張ったのではないか」という評価があってもいいと思うのですが、まったくかき消されてしまっています。
飯田)台湾関係の話で、中国に対して「日本のEEZにミサイルを撃ち込んできたではないか」というところまで、具体的に踏み込んでいました。
有本)東アジアサミットでは、オイル問題と香港での人権状況について踏み込んだ発言をしました。ウイグル人や香港の関係者の意見がいまだにSNSで回っていますからね。
飯田)「岸田さんはこういうことを言っていたのだ」と。
有本)ヨーロッパの人権に詳しい議員たちも高く評価しています。しかし、そういうことがまったく伝わらないというのは、岸田総理にとってはタイミングが悪いなと思います。
すべてのタイミングがおかしくなっている
有本)ただ、日本のEEZにミサイルが撃ち込まれた問題に関しては、あのときの対応は間違いですよ。
飯田)直後の対応は。
有本)直後に国家安全保障会議(NSC)を開くべきだったと思うし、なぜ、あのときに組閣(を優先)していたのかという話はあります。それも含めて、すべてご自分で蒔かれた種だけれども、すべてのタイミングがおかしくなっています。
飯田)ボタンの掛け違いというか、ちぐはぐになっていますね。
混乱する国会 ~延長する可能性も
有本)いま国会が大変なことになっていますよね。昨日(21日)、たまたま閣僚の方からお電話をいただきましたが、国会対応に不透明感があって……。
飯田)昨日も設定された本会議が流れてしまうのではないかという感じでした。
有本)そういう状況で、本当に国会がどうなるかわからない。
飯田)本会議や予算委員会となると、全閣僚が出席します。出席しなければ、「誰々は何でいないのだ!」となる。
有本)あまり用事のなさそうな人までも、そう言われてしまうではないですか。予算のこともありますし。
飯田)補正予算の審議が本会議でスタートしましたけれど、実際の予算委員会の審議はこれからですし。
有本)もうすぐ12月ですものね。
飯田)12月10日が一応の会期末になっていますが、おそらく延長するのではないかという話も出てきています。
有本)そうでしょうね。ここまで政局がわからなくなってくると、どうなるのだろうと思います。
「次」を狙う人たち
飯田)「次は俺だ」という。
有本)そういう人もいて、「嫌だな」と思っていますが。
飯田)メディアで人気投票が行われたりするような。
有本)既にそういう記事が出ていますからね。
飯田)河野太郎さんが「首相になって欲しい人」のトップになっている調査もありました。
有本)あれは毎日新聞の調査でしたけれども、2位は岸田総理なのですよね。その次が高市早苗経済安全保障担当大臣なのですけれども、河野デジタル大臣の人気は高いのだなと思いました。他にも茂木幹事長など、「次を狙うぞ」という方がいらっしゃるわけですが、いまはそういう状況ではないと思います。
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