被害者救済新法 寄付の「上限規制」はいいのか
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ジャーナリストの有本香が11月22日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。行使することが発表された旧統一教会への「質問権」について、また政府が成立を目指す被害者救済新法について解説した。
旧統一教会に「質問権」行使
飯田)本日(11月22日)、新聞各紙で一面記事になっているのは、旧統一教会に関してです。「教団調査きょうにも開始」という質問権の行使の話が出ていて、救済法案をどうするかというところで揉めています。
有本)いま大事なことはそれなのでしょうか?
飯田)内向きになってしまっているところがありますか?
有本)内向きですし、救済法案はけっこうですけれど、それもリスクを孕んでいませんかね。もちろん、旧統一教会の行き過ぎた信者獲得や献金は問題だと思いますが、現状でも法的に処断することは可能なわけですよね。
被害者救済新法で寄付の「上限規制」はいいのか
有本)もう1つ、宗教法人への寄付行為について「上限を設ける」と言っていますけれども、これは宗教的行為の制限にあたります。人が「人生最後に全財産を寄付しよう」というものを止めてもいいのでしょうか?
飯田)野党案の上限は「年収の4分の1」となっています。
有本)そこを設計主義的に設定してしまうのはいいことなのだろうかと思います。
飯田)その部分を。
有本)霊感商法はいけないけれども、現状の消費者契約法でもある程度しばりは効いているし、(全体の被害も)少なくなっているわけでしょう。だとすると宗教的寄付行為に対して、制限を設けるのは「どうなのかな」という気がします。
飯田)新法をつくるとなると、そういうところや既存の法律との整合性なども取らなければならない。
有本)エネルギーをそちらに向けるより、国防においても財政においても、もっと大事な話があるのではないでしょうか。
安保関連3文書の改定 ~国防の本質論が語られていない
飯田)国防についてですが、安保関連3文書の改定は年末までに行われる予定です。昨日(21日)も有識者会議が開かれていましたが。
有本)有識者会議も国防というより、「お金をどう工面するのか」というような話になってしまっています。国防の本質論がほとんど語られていないような印象です。ここにきて、前防衛大臣だった岸信夫首相補佐官も警鐘を鳴らしています。その辺りはもっと国会で熱く論戦されるべきだと思います。
飯田)「国をどう守るのか」は国家の根幹に関わるところです。
有本)日本の場合、歴史を振り返っても「国難」は海から訪れます。そのなかで海上保安庁はいまの位置付けでいいのか。予算の面から、いろいろと言われていますけれど、そろそろ各国のコーストガード並みにする必要があるのではないでしょうか。
飯田)いまのような武器使用の在り方なども考えなければならない。
海上保安庁法「第25条」の問題
有本)「このままでいいのか」と言われる海上保安庁法「第25条」ですが、このようなものは他国のコーストガードにはありません。
飯田)「軍隊ではない」という規定の部分。
有本)非常時も非軍事であり続けると。しかし、「漁船の救援はどうやって行うのだ」という話です。こういう大事なところをまったく議論しない。防衛費のGDP比2%の問題も「どうやって手当します?」と。先立つものがないとどうしようもない話ではありますが、それにしてもね。
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