土田晃之がパーソナリティ、新内眞衣がパートナーを務めるラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送・毎週日曜12時~)の11月27日(日)の放送の中で、小惑星探査機「はやぶさ2」にも関係している一流の技術力が評判を呼び、NASAからも直接依頼のメールが届いた兵庫県の会社を紹介した。
同番組内で放送中のコーナー『宇宙のへそ』では、毎週、つい「へーそーなんだ!」と言いたくなる宇宙ニュースや宇宙雑学を紹介しているが、この日は小惑星探査機「はやぶさ2」にも関連する製品を開発し、あのNASAからも直接メールが届いたという会社を取り上げた。
メールが届いた兵庫県姫路市にある「佐藤精機株式会社」の佐藤慎介代表取締役社長が電話出演し、JAXAやNASAからも注目させる技術と実際に製作したものについて解説した。
そもそも「佐藤精機株式会社」とはどういう会社なのか――
新内:まずは、『佐藤精機』さんがどんな会社なのか教えて頂けますか?
佐藤:従業員50人にも満たない小さい会社なんですけど、結構最近はですね、色んな分野の割と先端的なお仕事をたくさんいただきまして。例えば、レーシングカーのコアな部品とか、航空機、防衛産業にもちょっと携わったりとか。元々、半導体を作るための設備の部品を多くやっていたんですけど、最近はどちらかというと、それよりもそういった仕事、早く移動するようなもの(レーシングカー、航空機、ロケットなど)の仕事が増えてます。
そんな中、地球に帰還してからまもなく2年が経とうとしている小惑星探査機「はやぶさ2」にも関連したお仕事も担当したそうで――
新内:「はやぶさ2」にも関連したお仕事はどういうものだったんですか?
佐藤:(「はやぶさ2」に関連していると言っても)宇宙に行ったものではなくて、「はやぶさ2」が(小惑星「りゅうぐう」から持ち帰った試料が入った)カプセルをオーストラリアのウーメラ砂漠に落としたわけですね。その中に「りゅうぐう」から取って来た石(試料)が入っていまして、それを日本に持ち帰って、それを各研究機関に、例えば東京大学さんとか理化学研究所さんとか、そういうところに運ぶための小さなステンレス製の容器を共同開発して、それが実際に使われています。
その“小さなステンレス製の容器”というのが、技術力を必要とする“特殊な容器”らしく――
新内:特殊な容器というのはどういうものなのでしょうか?
佐藤:もう凄いシンプルなんですけど、要はねじででねじ込んでですね、超真空状態を1か月保てるような容器です。(「はやぶさ2」が「りゅうぐう」から採取した試料は)空気に触れた瞬間にもう全部駄目になってしまうんで。
宇宙由来の「りゅうぐう」の試料は、地球の環境に触れないように真空状態で分析が行われるため、輸送する際も真空状態を必ず維持しなければならない。そんな背景もあり、佐藤精機が製作する超真空状態を保てる容器はJAXAにも納品され、各研究機関に送るための必要不可欠なものとなっている。
そんな技術力が評判を呼び、海を越えて、アメリカのNASAからも直接メールが届いた。どんなメールだったのか?
新内:そんな技術力がNASAにも届き、直接メールが来たということなんですけども、どんな内容だったんですか?
佐藤:今となっては、笑ってしまうんですけど、ある日、突然英文でメールが来ましてね。「NASA」って書いてあるんですよ。これ、NASAとも読めるけど、「なんか女性の名前かな?」なんて思って、「そんな人と最近お会いしたことないな」と思って。でも下の方を読んでみると、いかにもうちが作ってJAXAに納めている容器のことがいろいろ書いてあって、「そういう部品を供給できるか?」とか、「予算的にはどれぐらいなります?」なんてことが書かれていました。
そのメールをきっかけに様々なやり取りをNASAと行い、先月、正式な依頼の発注が来たとのことで、早速、来月には納品することが決まったそう。兵庫県の“リアル下町ロケット”の挑戦は海を越えて、これからも宇宙の謎解明の縁の下の力持ちになりそうだ。
番組情報
■パーソナリティ:土田晃之 ■パートナー:新内眞衣
トークの達人・土田晃之がお届けする、お昼12時から4時間の生放送。
72年生まれ土田晃之の青春時代の懐かしいあの話から、プライベートに仕事に気になるニュースまでしゃべりまくり!
ときには、ビッグなゲストも登場!? 日曜のお昼にピッタリなのんびりモードでお届けします。