受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
全国の受験生を応援するため『おうえんしナイト』が初めて東京を飛び出しました。
そんな記念すべき今回は、大阪府箕面市にある「勝ち運」の寺、勝尾寺にお伺いさせていただきます。広大で、自然があふれ、美しい境内にはいたるところに達磨があります。さて、いったいどんな御由緒があるのでしょうか? 勝ち運が手に入ると、当時、名だたる戦国武将たちが参拝したという勝尾寺でランパンプスが受験生のために一生懸命参拝してまいります!
――さて、いかがですか? 勝尾寺は?
小林:いや、めちゃくちゃいい景色ですね。ちょっとびっくりしてます。紅葉がすごい!!
寺内:外国人の方や、家族連れの方もたくさん来てますね。観光地に来ているみたいです。
小林:池に掛かる橋なんて最高だもん。あ、ちょっと待って。ベビーカステラじゃなくて、ベビー「カツ」テラがありますね(笑)。
寺内:これはおいしい! あ、ここにも達磨がちらほらありますね。
――夜はライトアップされて、さらに綺麗らしいですよ。しかもタイミングによっては生演奏の演出とかもあるそうです。さて、それでは中に入って勝尾寺・副住職の小嶋隆文(こじまりゅうぶん)さんにお話を聞いてみましょう。
小嶋:小嶋でございます。よろしくお願いします。
小林:まずは勝尾寺の御由緒からお聞かせいただけますか?
小嶋:この寺は成り立ちは1300年前に遡ります。
寺内:1300年前!
小嶋:奈良時代になります。初代の住職は794年に都を京都に移した桓武天皇の兄の開成(かいじょう)という方になります。開成皇子は早い段階で皇位の権利を全て放棄してお坊さんになったんです。この勝尾寺は元々お寺があったわけではなくて、箕面山全体が非常に有名な霊山だったんです。開成皇子は仏門に入ってから山々を修行で巡って最終的に箕面山に踏み入りました。
寺内:「泣くようぐいす平安京」の頃ですね。
小嶋:開成皇子は、先に修行されていた双子の修行僧に弟子入りをし、3人で1つの誓いを立てました。それは「大般若経という膨大な写経を完遂させてからお寺を作る」というもの。けれど、双子のお師匠さん方は先に亡くなって、一人残された開成が600巻にも及ぶ写経を完成させました。そして、それを箕面山の高台に埋め、小さなお堂を立て「弥勒寺」というお寺を開きました。しかし、まだ御本尊さんがなかったのです。ただ、不思議な縁がありまして、白檀の大きな香木を京都に奉納するための船が大阪湾で難破してしまったのです。京都に引っ張っていこうとしたのですが、動かず、立派な白檀を別の何かに使わなきゃいけないということで、この山に寄進されました。そんなとき、妙観という仏師が18人のお弟子さんを連れてやってきたのです。そして「白檀の香木で仏さんを彫るので7月18日から8月18日の間は作業場を見ないでくれ」と言いました。
寺内:なんだか鶴の恩返しみたいですね。
小嶋:まさにそうなんです。8月18日に開成皇子が作業場に入ると、なんと妙観も18人の弟子の姿もありませんでした。そこに唯一残っていたのが「十一面千手観世音菩薩像」でした。それを弥勒寺の御本尊にしたのが勝尾寺の成り立ちです。
寺内:なんだかすごい話ですね。
小林:日本昔話みたい。あ、でもお寺の名前が違うんですが?
小嶋:最初は弥勒寺という名だったのです。六代目の住職に行巡(ぎょうじゅん)という方がいたのですが、行巡は法力を持っていたということで有名でした。当時の清和天皇が病に伏せられた時に、行巡のところに勅使を送って「京都に来て祈祷をせよ」という勅命を下したのです。しかし、修行中だったため、寺を離れられなかった行巡は、勅使に対し、その法力を見せて納得させ、この場所から御祈祷を捧げることになりました。すると、見る間にと清和天皇の病気が治っていったんです。清和天皇はたいそう喜んで、御礼に来られて「この寺の名前を私がつける」ということになりました。そして「この国を治める天皇、いわば王に勝った寺」ということで「勝王寺」と名付けたんです。しかし、行巡は「王様に勝った寺」なんて名前をそのまま使うわけにはいかないと謙遜の気持ちから「王」を「尾」に変え、呼び名は変えず、今使用している「勝尾寺」となったのです。そこから勝ち運という信仰が徐々に広がっていき、鎌倉時代、室町時代、安土桃山とこの国が戦国の世となり、徳川が平定するまでの約400年間、多くの武将がお祈りに来ました。
小林:境内にものすごい数の達磨があるのですが、そのあたりのことに由来しているのですか?
小嶋:達磨さんに関しては、また別の話になります。それを説明するためにまず勝尾寺が伝えたいことを話させてください。まず、勝尾寺の「勝」は、相手をやっつけるという意味での「勝」ではないんです。勝尾寺は性弱説をもとに「自分と向き合って自分の弱い心に打ち勝ちましょう」ということを伝えたいんです。
寺内:なるほど。人間はもともと弱い生き物で、楽な方に流れてしまうと。
小嶋:そうです。そして「結果にこだわるな。今日全力を尽くせ」と発信していきたい。水を差すようで申し訳ないが、大学合格が人生のゴールであるはずがない。勝尾寺が伝えたいことは「全力を尽くしたら、どんな結果であれ最善だ」ということ。僕自身も寝る時に「よし、今日全力で生きたぞ!」と一日一日にスイッチを付けていく感覚で生きています。そして毎日「全力で生きていますか? 今日を生き抜いていますか? やれるだけのことをやりましたか?」と自分に問いかけるのです。
寺内:熱量がすごいですね。それが達磨とどう関係していくのですか?
小嶋:自分の弱き心と向き合うという勝尾寺のアプローチと、達磨さんの座禅の思想が一緒のものだからです。ですので、達磨を取り入れ、勝尾寺のメッセージを伝えるための手法としたのです。
小林:受験生が勝尾寺で参拝をする場合、どういう形ですればよいのですか?
小嶋:達磨さんを買って、後ろに願い事を書いて、片目入れるだけでは願い事はかないません。達磨は自己誓約書なんです。自己誓約書が達磨という形をしていると思ってください。受験までの一日一日を悔いなく全力を尽くすことを自分自身に誓うのです。つまり、達磨に目を入れるのは自己誓約書にサインをするという行為なのです。
小林:自己暗示のようなものですか?
小嶋:その通りです。そして、結果は関係ない。受験に失敗したとしても自分でやるだけやったのなら両目を入たらいいんです。
小林:いや、本当に熱い話をありがとうございました。なんだか勢いに押されて力がみなぎってきましたね。今日から僕もスイッチを入れます!
寺内:ちなみに副住職が「今日はスイッチ入れられなかったな」って日は何年ぐらい前なんですか?
小嶋:僕がスイッチ入ったのは去年からです。
寺内:え? じゃあスイッチ入れてまだ一年ってことですか?
小嶋:スイッチを入れて、ライトをつけたいから、毎日毎日を全力で生きるのです。「人事を尽くして天命を知る」。そこで出た結果はすべてありがたく受け取ります。受験の日まで努力できるのですから、ぜひ、それまでは一生懸命やってほしいとお伝えさせてください。本日はありがとうございました。
――ありがとうございました。それでは達磨が並ぶという境内に伺って参拝させていただきましょう。
寺内:それでは参拝させていただきましょう。それにしてもすごい光景だ。
小林:先ほど教えていただいた勝ち達磨に目を入れて、全国の受験生の合格を祈願しますね。
――さて、今回、初めての勝尾寺とのことでしたが感想をお聞かせいただけますか?
小林:止まんなかったですね。副住職が。
寺内:いやいや(笑)、熱いお話が聞けてありがたかったですよ。受験生に受かって欲しいとかじゃなくて「過程が大事なんだよ」っていうのは受験が終わって数年後なら言えるけど、当事者に向かってはなかなか言えない言葉だよね。でも、実際そこが一番大切ってことは変わりないんで。
小林:本質はそうだよね。一生懸命頑張るってことを自分自身に誓うための自己誓約書としての達磨というのは良い話だよね。
寺内:境内も綺麗でしたしね。
小林:もう境内の話(笑)? でも、かなりの「映えスポット」だよね。達磨があれだけ並んでる光景なんて他にないし。
寺内:異様な光景だけど、サイズ感がサイズ感だから可愛らしくもあるよね。そういえば、達磨がいたるところに並べてあったんですけど、本殿の縁の下に放り込まれた「上の歯の乳歯」みたいな扱いされてる達磨たちもいました。あれはなんなんだろう(笑)?
小林:見所も多いし、御利益と信念があるお寺だから、どんな方が行っても楽しいだろうなと思いましたね。あと話長かったです。
寺内:いや、長くはないよ(笑)。熱量が高かっただけ。熱量の高い理由は最後の質問で明らかになったけど「まだスイッチ入れる生活一年目だから」っていうね。
小林:若手芸人みたいだな。ご自身でも面倒くさい人だと思われることがあるけど「伝えることは絶対に伝える」ってのも信念だよね。
寺内:それも含めて本当に最高なお寺でした。ぜひ、副住職をトークライブに呼びたい!
小林:熱量すごいからZOOMくらいにしとこうよ(笑)。
勝尾寺は達磨が並ぶ稀有なお寺でありながら、絶景であるという不思議なお寺でした。また、勝ち達磨を自己誓約書としてサインをして、自分を奮い立たせるというポリシーに裏打ちされた熱量の高いお寺でしたので、受験生はもちろん、勝ち運が欲しい方はご参拝されてはいかがでしょうか? また、境内が本当に魅力的なので一見の価値ありです。お近くに立ち寄られた際は、是が非でもご参拝されることをお勧めします。
さて、次回の『おうえんしナイト』はランパンプスが大阪の大学へ伺って、その様子をお伝えいたします。もちろん学食の食レポもありますのでご期待ください!
<勝尾寺>
住所:〒562-8508大阪府箕面市粟生間谷2914−1
TEL:072-721-7010
HP:https://katsuo-ji-temple.or.jp
『おうえんしナイト』では頑張る受験生を応援すべく、リスナーの皆様からのご意見や情報を募集しております。ランパンプスの二人に取材してほしい“あなたの街のおすすめスポット”や“合格祈願にまつわるスポット”など受験生に役立つ情報を特設サイトまでお寄せください。
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