東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が12月8日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。2022年~2023年にかけてのインフルエンザの流行について語った。
6月~8月に南半球でインフルエンザが大流行 ~日本でもこの冬、警戒が必要
飯田浩司アナウンサー)インフルエンザの感染状況について伺います。去年(2021年)や一昨年はインフルエンザが落ち着いていた印象がありますが、今年はコロナとインフルの両方が流行するのではないかと言われています。何か理由があるのですか?
川上)私たちと季節が逆の南半球では、日本にとっての夏である6~8月ごろに大流行したのです。
飯田)インフルエンザが?
川上)はい。そこから日本でも流行するのではないかと言われています。
飯田)いまのところはまだ落ち着いているという理解でいいのでしょうか?
川上)都内でも、一部の地域でインフルエンザが少しずつ出てきてはいるようですけれども、まだ流行期に入るところまでは増えていません。
2023年1月に新型コロナとインフルエンザの同時流行の可能性も
飯田)今後の予測はどのように考えられますか?
川上)現在の状況から、3年前以前と同じような、「この時期に少し流行して年末年始に一旦収まり、1月に大流行する」というパターンではないかと思います。
飯田)確かに、コロナ禍前のことを思い出してみると、12月ぐらいに「今年もインフルが流行し始めたね」というようなことを言っていました。
川上)そうなのです。
飯田)現場で見ている先生方からすると、いまの状況は「嫌な感じだ」となりますか?
川上)1月にコロナとインフルエンザが同時にくるのかも知れません。それも嫌だなと思います。寒い時期ですしね。
新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンは同時に接種しても問題ない
新行市佳アナウンサー)既にインフルエンザワクチンを打った方もいらっしゃると思いますが、新型コロナウイルスのワクチンと一緒に打っても大丈夫なのでしょうか? タイミングなどはありますか?
川上)どちらを先に打っても、一緒に打っても、コロナとインフルエンザだけの関係であれば縛りはありません。
新行)そうなのですか。
川上)きょうの朝にコロナワクチンを打って、夕方にインフルエンザワクチンを打ってもいいですし、一緒に左手にコロナ、右手にインフルエンザというやり方でも大丈夫です。
飯田)子どものインフルエンザワクチンは1回だけでいいのですか?
川上)日本では12歳までは2回接種、13歳以上は1回接種でよいことになっています。
インフルエンザワクチンの接種は早めに
飯田)いつごろ打った方がいいですか?
川上)まさにいまですね。
新行)まさにいま。
飯田)いま打っておけば、流行の恐れがある時期には抗体を持って戦うことができるのですね。子どものインフルエンザワクチンは何歳から打てるのですか?
川上)生後6ヵ月から打てます。
飯田)では、小さいころからでも大丈夫。
川上)特にインフルエンザは、20年~30年前の流行のときに、1歳~2歳の子どもが重症化することがわかっていますので、小さいお子さんほど打っておいた方がいいですね。
飯田)費用はどうなっていますか?
川上)一部の地域では助成制度がありますけれど、インフルエンザについては、平均的に見たら3000円~5000円くらいだと思います。
飯田)かかりつけ医の方などと相談しつつ。
川上)そうですね。
熱が出る、腕が腫れるなどの副反応がある場合も
飯田)副反応はありますか?
川上)インフルエンザの場合も、熱が出る方は一定頻度でいます。他には腕が腫れる子がときどきいますね。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます