防衛省防衛研究所防衛政策研究室長の高橋杉雄氏が12月21日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。ウクライナへの攻撃を続けるロシア軍の戦闘能力に対する西側軍事専門家の見方について、「『こんなにも戦い方が下手だったのか』『旧ソ連の面影はどこへいったのか』と受け止めている」と解説した。
ウクライナ軍参謀本部は20日、フェイスブックで過去24時間にウクライナ全土でロシア軍による空爆が60回、ミサイル攻撃が4回、多連装ロケットシステム攻撃が80回以上行われたと発表した。一方、ウクライナ側もドネツク州など10カ所でロシア軍の攻撃を撃退していて、ウクライナの東部を中心に激しい攻防が続いている。
辛坊)2月24日にロシアがウクライナへ侵攻した当初は、旧ソ連の構成国同士の戦いということで、攻撃する側も防御する側も旧ソ連の兵器による戦いでした。最近、西側がウクライナに武器をずいぶん供与しており、その図式もだいぶ変わってきたと思います。西側の軍事専門家は、ロシアの通常兵器による戦闘能力をどのように見ているのでしょうか。
高橋)兵器そのものの能力以上に、使い方に注目しています。多くの軍事専門家は「ロシア軍はこんなにも戦い方が下手だったのか」と見ていますね。また、ロシアの消耗が激しいため、どのような形でこの戦いが終わったとしても、「戦後のロシアは核兵器への依存を深めざるを得ない」と予測しています。
辛坊)現在の北朝鮮のような感じですね。
高橋)そうです。
辛坊)平たく言うと「通常兵器の戦闘ではロシアは驚くほど弱かった」という感じでしょうか。
高橋)どちらかというと、「ロシアはもっと強いはずではなかったか」という見方ですね。悲しさのような受け止め方をしています。
辛坊)「悲しさ」とは、どんな感覚ですか。
高橋)「ロシアはこんなものではないはずだろう」という感覚です。「旧ソ連の面影はどこへいったのか」という思いですね。
辛坊)そうなると、仮にアメリカ軍と正面対決した場合、通常兵器同士の対決ではロシア軍は歯が立たないということですね。
高橋)厳しいでしょう。5~6月頃にロシアが優位に立ったのも、ひたすら火力でウクライナを押し潰すという戦いでしたからね。あのような戦いに持ち込めない限り、ロシアには厳しいです。
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)