岸田首相が掲げた『異次元の少子化対策』は「全く本気じゃない」辛坊治郎が苦言

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キャスターの辛坊治郎が1月5日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。岸田文雄首相が年頭の記者会見で今年の優先課題として掲げた「異次元の少子化対策」について、「全く本気じゃない」と苦言を呈した。

岸田首相が掲げた『異次元の少子化対策』は「全く本気じゃない」辛坊治郎が苦言

伊勢神宮で年頭記者会見を行う岸田総理 2023年1月4日 ~首相官邸HP https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202301/04kaiken.html

岸田文雄首相は4日、三重県伊勢市で行った年頭の記者会見で、今年の優先課題として異次元の少子化対策とインフレ(物価上昇)率を超える賃上げの実現に取り組む考えを表明した。

辛坊)日本の抱える大きな問題の1つが少子化です。岸田首相は「異次元の少子化対策に挑戦する」と強調しました。では、具体的に何をするのかというと、児童手当など経済的支援の強化▽学童保育や病児保育、産後ケアなどの支援拡充▽働き方改革の推進―を3本柱として挙げました。いささか抽象的な内容で、全く本気じゃないということが分かります。

本気で子供を増やそうと思うのなら、必ず効果の出る対策があります。フランスが出生率の回復に成功した「N分N乗方式」を導入することです。「N分N乗方式」を簡単に説明すると、子供の数が多いほど税負担が軽減される制度です。これなら、子供を持つモチベーションが極めて高まります。また、所得が多いほど子供を持つメリットが高まるため、教育環境の恵まれた家庭でしっかりと子供に教育を与えてあげられます。

少子化対策の中には、国民にお金をばらまく手法もあります。しかし、この手法が駄目なところは、お金欲しさに所得の低い家庭ほど子供を持つモチベーションが高まる点です。この手法では、教育環境のあまり良くない状況の中で子供が増えていきます。

こうした説明をすると、「優生思想だ」と批判を受けるかもしれません。ただ、フランスでは事実婚も多いため、実子である必要はなく、子育てさえすれば、親は税金が安くなり、年金も増えるといった恩恵を受けられる仕組みです。しかし、「N分N乗方式」を日本に導入しようとすると、「差別だ。子供のいる世帯だけが不当にいい夢を見ている」と言う人が必ず出てきます。

でも、よく考えてみてください。そうして生まれた子供は将来、国の社会保障を担ってくれるんですよ。子供のいない人たちも含めた国民全員にメリットがあるわけです。ですから、本気で少子化対策をしようとするのであれば、 「N分N乗方式」が最も簡単で、ものすごく効果が上がるんです。日本の将来を考えたとき、これ以上の少子化対策はありません。それはフランスで実証されています。それなのに、国会で議論になっていません。

今、防衛問題として日本をどう守るかが議論されていますが、少子化によって守るべき日本がなくなってしまっては意味がありません。必要なのは、まず子供です。そうした危機感を政治家には持ってほしいものです。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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