サイバー攻撃に対してNATOと「どのような連携」が取れるか
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ジャーナリストの有本香が1月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長の来日について解説した。
NATO事務総長が今月末にも来日へ
北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長が1月末にも来日し、岸田総理大臣との会談を調整していることがわかった。インド太平洋をめぐる安全保障の連携を強化する狙いがある。
飯田)実現すれば2017年以来になるということです。
有本)徐々に日本がNATOに近付いている。そうせざるを得ない状況になっていますよね。NATOにすれば、いまはヨーロッパ大陸で戦争が起きているわけですから、「これでインド太平洋も」というような話にはしたくないところはあるでしょう。
豪英とも円滑化協定を結び、NATOとも連携を深める ~5年前とはステージが違う
有本)日本にしてみれば、岸田総理がヨーロッパを回り、こちらの防衛政策の転換を説明しつつ、イギリスとは準軍事同盟的なものとして円滑化協定を決めましたよね。
飯田)決めました。
有本)日本の報道はそれほど大きくないのですが、実は歴史的なことですし、一昨年(2022年)はオーストラリアとも円滑化協定を結んでいます。いざというときにオーストラリア軍やイギリス海軍が日本近海に来るという状況です。NATOとも連携を深めるタイミングでしょうね。5年前とは明らかにステージが違います。
飯田)そうですよね。平時の訓練などを円滑化するという触れ込みですが、平時にそれだけ来るということは、有事の際もそうであると当然みんな考えます。
有本)日本では「訓練を円滑化する」ということばかり言っていますが、日豪円滑化協定を締結したときには、オーストラリアの全国紙が「これは歴史的な同盟だ」と報道していましたから、それが正しいのだと思います。私は日英同盟復活だと書きましたが、そういう環境のなかでNATO事務総長が来日するということです。
サイバー攻撃に対してNATOとどのような連携ができるか ~宇宙分野での連携も
飯田)この意味は大きいわけですよね。
有本)そうです。台湾有事について言われていますが、もちろんNATOですから軍事的なこと、あるいはどこからが軍事なのかという基準が、時代として変わってきていますよね。いろいろな情報による攪乱などもあります。
飯田)いろいろあります。
有本)この辺りをどのように位置づけていくのか、コミュニケーションをきちんと取っていただきたいと思います。
飯田)ロシアによるウクライナ侵略も、いちばん最初に察知したのはサイバー上だったという話が報道されていました。
有本)大規模なサイバー攻撃が何度か起きたということです。それに対する対抗部隊もいたのですが、民間ベースなのです。ロシアの反体制をもくろんでいるグループが大規模に応戦するという状況もできています。
飯田)民間ベース。
有本)日本の場合、東京五輪のときも含めて、サイバー攻撃をかなり阻止しているのです。だからいいという話ではありませんが。これからはハイブリッドで進めていき、どのような連携ができるのかというところです。我々にはすべて明らかにはならないでしょうけれども、具体的に話を進めていって欲しいと思います。
飯田)東京五輪での対応は、1つのいい例です。
有本)ヨーロッパともかなり連携していたという話があります。
飯田)無観客だったこともあるけれど、(サイバー攻撃の)数は1億を超えるというような、断片的な情報も出ています。
有本)それを一応、防いではいたわけですからね。
飯田)その辺りも含めて、宇宙分野でも連携しなければなりません。
有本)宇宙分野は当然、連携しなければならないでしょうね。
ロシアへの制裁をどこまで行うか ~日本も含め経済的なダメージの大きいヨーロッパ
有本)ロシアに対する制裁ですが、どこまで行うのかということです。ウクライナのゼレンスキー大統領は「さらなる制裁を」と訴えていますが、制裁を掛けられるところはほとんど掛けている。その先となると、相当ヨーロッパもダメージを受けます。
飯田)経済に対して。
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