作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が2月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。バイデン大統領が2月7日(日本時間8日)に行った一般教書演説について解説した。
バイデン大統領が一般教書演説 ~中国との競争に「超党派で結束」訴え
飯田)アメリカのバイデン大統領の一般教書演説について、日本メディアの見出しでは、中国との競争に「超党派で結束訴え」と書かれています。全文を読むと「内政のことが多いな」と思ったのですが。
事実上の大統領選挙への再選出馬宣言
青山)ほとんどが内政についてです。事実上の再選出馬宣言ですよね。
飯田)大統領選再選への。
青山)アメリカだけではなく、世界中の受け止め方がそうです。バイデンさんは超高齢で再選を目指すことになりますが、ライバルの1人であるトランプさんもあまり変わらないですからね。
中国への警戒心
青山)大統領選挙にもう1回出る、しかも高齢のハンデを乗り越えて出ようとすると、経済をはじめとして内政をどうするか。中国についても「戦争するつもりはない」という趣旨のことを言っています。競争するべきは競争するのだと。
飯田)中国とは。
青山)かつてアメリカに日本が叩かれたのと同じように、中国はアメリカの主権を侵すこと……日本はそんなことは絶対にしませんでしたから、警戒感はそういう意味では違うのですが、中国の安いものがアメリカのものを駆逐してしまうことを心配しているのです。今回のバイデン大統領の演説で、中国はそういう文脈なのです。
水面下で手を握る動きがある米中
青山)重要なのは、米中が水面下で手を握る動きがあるということです。
飯田)そうなのですか?
青山)本来であれば2月3日に、ブリンケン国務長官が訪中に向けて出発するはずだったでしょう。
NASA長官「中国は右手でやっていることを左手が知らないのではないか」 ~ブリンケン氏訪中の前に起きた気球事件について
青山)それを中国が自ら、気球事件で潰してしまったわけです。中国は怒っていますが、「あなたが変なことをしたからでしょう」と世界は思っています。
飯田)あんなものを飛ばすからだと。
青山)いま来日しているNASA(アメリカ航空宇宙局)の長官が、超党派の前で講演を行いました。そこで私の質問に、「中国は右手でやっていることを左手が知らないのではないか」と答えています。
飯田)長官が。
青山)その長官はベテランの上院議員ですから、内部のことをよく知っていて、米中が下で手を握る動きもあるということです。日本はかつてのニクソン訪中のように、サプライズで騙されないようにしないといけません。常に自分の道をはっきり見ていなければならない。アメリカだろうが中国だろうが、(日本は)「揺さぶられない」ことが大事です。
飯田)そのためには、自分たちで備えるものは備えなければいけない。
青山)自分たちでできることはしなければならないのです。もちろん、アメリカとの同盟を強固に連携させることは、世界の民主主義にとっていちばん大事です。NATOとアメリカが大事だと言われているけれど、日米の方が大事です。中国と最前線で向かい合っているのは私たちですから。
飯田)でも「右手のことを左手が知らない」と言われるのは、中国はそれだけセクショナリズムで動いている。
青山)それもあるし、必ずしも軍がすべて習近平さんに従うわけではない。台湾有事は習近平さんだけがやりたいわけで、軍は本当はやりたくないのです。
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