発達する「顔認証技術」が、権威主義国により人権侵害に使われてしまう懸念

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東京大学先端科学技術研究センター特任講師の井形彬が2月27日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。技術が世界的にも発達している日本の顔認証について解説した。

発達する「顔認証技術」が、権威主義国により人権侵害に使われてしまう懸念

※画像はイメージです

世界的にも発達している日本の顔認証技術

新行)日経新聞に、このような記事が掲載されています。

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『顔認証で本人確認 日立とパナソニックコネクトが協業 高い安全性、世界に対抗』

~『日本経済新聞』2023年2月27日配信記事 より

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新行)日立製作所とパナソニックホールディングス傘下のパナソニックコネクトが、商業店舗などに向けて顔認証技術を使った本人確認サービスで協業するというニュースです。スマートフォンなどで顔や証明書などを登録すれば、店舗やホテルなどで入場や即時決済など、いろいろなサービスを「顔パス」で受けられるというものです。2023年度中の事業化を目指すということですが、どうご覧になりますか?

井形)便利ではありますし、すごいなと思います。日本は顔認証の技術が発展しているのです。

新行)顔認証の技術が。

井形)定期的に、国際的な企業の顔認証が「どのくらい正確に素早く認証できるか」というランキングがコンペティションのように行われているのですが、日本企業はいつも1位を獲っているのです。

顔認証等、個人を特定できる技術が権威主義国によって人権侵害に使われてしまう懸念

井形)その一方で、「怖いな」と思う一面もあります。国際社会では、顔認証を始めとした個人を特定できるような技術が、権威主義国によって「人権侵害に使われてしまうのではないか」と懸念されているのです。

新行)人権侵害に。

井形)具体的には、新疆ウイグル自治区で監視カメラに映され、「この人は九十数%の確率でウイグル人だ」と判明すると、急に警察の方が「お話を伺いたいのですが」と来る。そういう形で使われているのではないかというような疑義も出ています。

人権侵害に使われてしまうかも知れない顔認証の技術についても輸出管理し、新たな枠組みをつくる動きも

新行)最近『AI監獄ウイグル』という本を読んで、そういう技術を怖いなと思いました。

井形)いま欧米諸国では、人権侵害に使われてしまうかも知れないような顔認証の技術や製品に関しても、みんなで輸出管理し、新たな枠組みをつくっていこうという動きが進んでいます。

新行)悪用される可能性があるところには輸出しないということですか?

井形)いままでだと、ミサイルや兵器に対する輸出管理はあったのですが、今回、人権侵害に使われそうなものも輸出管理していこうという話が出ています。それくらい顔認証技術の影響力が大きいと判断され始めたのだと思います。

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