日米韓の結束力をアピールし、北朝鮮を抑止したいアメリカ
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが3月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮問題について解説した。
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2022年11月13日、日韓首脳会談~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202211/13asean.html)
北朝鮮が潜水艦から巡航ミサイルを発射
北朝鮮国営・朝鮮中央通信は、潜水艦から巡航ミサイル2発を3月12日に発射したと報じた。米韓合同軍事演習「フリーダムシールド」が13日から始まっている。
飯田)演習に対する反応だということも指摘されています。潜水艦からの発射を公表するのは初めてだということです。
クラフト)エスカレートしていますね。16日に韓国の尹錫悦大統領が来日する予定ですが、やはり北朝鮮問題が1つの要因にあると思います。
アメリカが裏で日韓関係の修復を促し、今回の尹錫悦大統領が来日の運びに
クラフト)北朝鮮問題に対してバイデン政権が無策ななか、「日米韓でどのように取り扱おうか」と悩んでいるのだと思います。本来であれば、中国の圧力が最も効果的なのですが、アメリカは中国との関係で対立しているため、中国の協力は得られない。
飯田)中国の協力は。
クラフト)そこで、いままでは日韓が対立していたけれど、アメリカからすると(日米韓の)3者で結束して北朝鮮を抑止しなければいけないのに、日韓がバラバラではいけない。おそらくアメリカは裏で徴用工問題の解決や日韓関係の修復を強く促し、今回の運びになったのだと思います。
韓国国内の反発を抑えて日米韓の結束力をアピールし、北朝鮮の抑止につなげたいアメリカ
飯田)安全保障環境を考えると、ここで二正面的な状況にするわけにはいかない。
クラフト)そういうことですね。文在寅政権から尹政権に代わり、韓国としても政策転換がしやすいタイミングで、アメリカからの圧力が加わった。それが上手い形で尹錫悦大統領の来日という結果になったのだと思います。G7に招いたり、彼をいろいろと支えながら国内の反発をなるべく抑えて、日米韓の結束力を強めてアピールし、北朝鮮の抑止につなげていきたいのではないでしょうか。
飯田)日本としては何かを約束しても、また韓国がゴールポストを動かすのではないかと思ってしまいます。その辺りのことは、アメリカもある程度は見ているのですか?
クラフト)前回もそうですが、今回はアメリカがかなり担保する形で動いています。毎回ゴールポストを動かすようなことになれば、韓国政権も国際的な信用を失います。韓国国内の世論も以前ほど反日感情が強くないように見えます。だからできたのではないでしょうか。