高市氏「捏造」発言も行き過ぎだが、野党の「執拗な」追及も疑問
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが3月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。総務省の行政文書をめぐる問題について解説した。
総務省の行政文書をめぐる問題 ~高市氏が自身の記載のある4枚について、「1度も見たことがない」と述べる
高市経済安全保障担当大臣は3月13日の参議院予算委員会で、放送法の政治的公平をめぐる総務省の行政文書に関し、当時総務大臣だった自身の記載がある4枚について「文書の配布先から外され、1度も見たことがない」と主張した。また、当時の礒崎総理補佐官が総務省と法解釈の協議を重ねていた経緯も「私は知る由がない」と述べた。
飯田)大臣が知らないまま、下が動いていたことになるのでしょうか?
国会で取り上げるべき問題は他にある ~国民のためになるような議論をするべき
クラフト)放送法の政治的公平という問題は「重要である」とした上で、いまの世界情勢や経済情勢を考えると、8年前の問題に対する売り言葉や買い言葉で、国会がこれに着手するのはいかがなものかと思います。
飯田)国会がこの問題にここまで時間を費やすことは。
クラフト)高市大臣の「捏造」という発言も行き過ぎだとは思いますが、野党の執拗な追及もどうなのでしょうか。もっと国民のためになるような、本質的な議論を国会で行って欲しいというのが正直な気持ちです。
飯田)そうですよね。世界ではいろいろなことが起きていて、アメリカの銀行から発する信用不安が日本にも影響するのではないかという問題。また中東においても、もし(懸念されている紛争が)発火してしまうと油の値段が上がって、日本経済にも大きな影響が出るかも知れません。あるいは中国の話などもあります。
クラフト)毎回このような問題で議会が紛糾するのは、国としてはあまりプラスにならないと思いますので、早く議論を尽くして欲しいです。このような問題は結局、曖昧な形で終わってしまいがちなので、議論だけを行うのはもったいない気がしますけれどね。
アメリカの銀行破綻が日本に影響を及ぼす可能性も
飯田)国会の先例のようなものがあって、予算委員会が立っているときは他のものは行わない、あるいは全閣僚出席の縛りもあります。
クラフト)生活や世界の安全保障に関する、より大きな問題があると思います。今回のアメリカの銀行破綻を受けて、日本の地銀はどうなのかという議論など、大切な問題がたくさんありますよね。
飯田)日銀総裁がスイッチするタイミングですからね。
クラフト)アメリカの問題に思えるけれど、日本でも起きかねないことです。
飯田)リーマンショックのときも、日本はサブプライムローンなどを金融機関が持っていないから、当初は影響が軽微だと言われていました。しかし、最も影響を受けたのは日本です。
クラフト)そうなのです。それらをより議論しなければいけないのに、大臣が辞職するかしないかというような話ばかりで、複雑な思いです。
飯田)そういう問題は、委員会を別に立てていただいて。
クラフト)本当にそう思います。予算委員会では、もっとしっかりとした議論をして欲しいです。
習近平氏がロシアに行くのならば、岸田総理はどうするのかなど、議題はあるはず
飯田)参議院でいま予算が審議されています。そのなかには反撃能力の問題や、防衛予算の積み増しも入っているはずなのです。
クラフト)少子化対策も重要な議論ですし、そういうところをもっと見て欲しいです。
飯田)あるいは、そのような質問も実は野党議員たちがしているけれど、目立つ部分が文書の問題ばかりになってしまっているのかも知れません。
クラフト)確かに報道では取り上げやすいのですが、飯田さんがおっしゃったように別の委員会で追及してもらい、予算の本委員会では他の議論を中心にやって欲しいですね。
飯田)公聴会や分科会などでは経済の舵取りをどうするか、アメリカのように本当に引き締めても大丈夫なのか、アメリカの銀行破綻などを見て、日本はどうするかという議論が出てきてもおかしくないですよね。
クラフト)そうですね。何かが起きてからでは遅いのです。習近平氏がロシアに行くのならば、では岸田総理はどうするのか。またG7も控えていますから、いろいろ議論すべきところはあるのですが、どうしてもこのようなところに論点が向いてしまう。毎回そうなのですよね。
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