ジャーナリスト、須田慎一郎氏が3月14日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。放送法の解釈に関する総務省の行政文書の問題を巡り、「文書を入手、公開した立憲民主党の小西洋之参院議員は、自民党の道具として使われている」と指摘した。
須田)今回の問題では、高市早苗経済安全保障担当相ばかりに焦点が当たっていますが、本来は安倍晋三首相(当時)の補佐官(同)だった礒崎陽輔さんの言動に焦点が当たるべきです。礒崎さんは旧自治省出身です。そのことも含めて考えると、総務省を旧郵政省官僚がハンドリングできるような体制にして旧自治省官僚を押さえつけようとしたのではないでしょうか。
加えて、「もし、これが大きな問題になっても骨は拾ってやる」「旧郵政省官僚の悪いようにはさせないから」というようなことを言った人が自民党内にいるのではないかと、私は思いますね。
辛坊)文書が表に出る時期に、このタイミングが選ばれたのは、衆院予算審議の時期を避けたのだと思います。予算案は衆院で可決さえすれば、参院で採決されなくても、参院への送付後30日で自然成立します。つまり、参院でどれだけもめようと関係ないわけです。この文書は、予算案審議が参院に移ってから出てきました。タイミングをかなり見計らったうえでの情報リークだという感じがします。
須田)その意味では、野党からすれば、もっと前の時期、つまり予算案を人質に取れるような段階で文書を出してくるべきなんです。しかし、そうではありませんでした。予算の年度内成立が見える中で出てきたわけですから、文書は自民党内から出されたのだと思いますね。
辛坊)そうでしょうね。また、生臭い話もあります。奈良県知事選(3月23日告示、4月9日投開票)を巡り、高市さんは元総務省(旧自治省)官僚を推していますが、自民党分裂選挙のような様相です。私が対立側であれば、高市さんの活動をしばらく封じる手段として、文書での攻撃はありだと考えます。同じ総務省関係者にしてみれば、旧自治省出身者が閣僚に推されて選挙に出るというのは、旧郵政省側としては面白くないでしょうからね。そうしたことが複合的に合わさって、この時期に文書が出たのだろうと思います。
須田)文書を入手、公開した立憲民主党の小西洋之参院議員は、自民党の道具として使われているのでしょうね。自民党の手の平で踊らされているのでしょう。あの手の文書は、私や霞が関(省庁)回りの記者だったら、普通にもらえますからね。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)