キャスターの辛坊治郎が4月13日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。アメリカの機密文書が流出した事態を巡り、「ウクライナの戦争遂行能力が一時的に極端に落ちる可能性がある」と解説した。
ロイター通信によると、ロシアへの制裁発動を拒否しているセルビアがウクライナに武器を供与することに同意、もしくは既に武器を供与していることが、流出したアメリカの機密文書によって判明した。
辛坊)どうやら、機密情報を持っているアメリカの限られた高官が流出させたとみられています。しかも、デジタル化された情報ではなく、100ページくらいある紙の文書を撮影させたようです。その紙には折り畳んだ跡があったというような話もあります。なんだか、昔のスパイ映画のようですね。現代のスパイは、そんなことはしません。現代のスパイはデジタル化されている情報をハッキングするなどの方法で盗み出します。
今回の機密文書の流出については、アメリカのニューヨーク・タイムズが最初に報道しました。アメリカの当局者は肯定も否定もしなかったのですが、ウクライナ側が「文書に書かれた情報は古い。この情報に基づいた作戦は既に変更した」といったことを発信したため、文書が本物であると事実上認める形になりました。文書には改竄された部分があるともいわれていますが、よく分かりません。
機密文書の流出により、韓国がアメリカからウクライナへの武器供与を求められていることも明るみになりました。しかも、ウクライナに対する武器供与の是非を巡る韓国の政権内でのやり取りが、アメリカに筒抜けになっていることも分かってしまいました。つまり、アメリカが同盟国の韓国でスパイ活動をしていたことまで、ばれてしまったわけです。こうなると、誰が機密文書を流出させたかが特定されるまでは、関係当局としては怖くて情報共有なんてできないということになります。
ウクライナにしても、ロシアに対抗する戦術や作戦の情報をアメリカと共有できなくなります。ロシアに筒抜けになる恐れがあるからです。このように、流出元が特定されるまでは、これまで国を越えて機能していたスパイ組織や情報のやり取りなどが全て止まってしまうことが大問題なのです。こうなると、ウクライナの戦争遂行能力が一時的に極端に落ちる可能性が出てきます。機密文書を流出させた人物は、そこまで大事になるとは考えていなかった可能性もありますが、これは大変なことです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)