傷ついた王室の「ブランドイメージ」を上げる努力をしてきたカミラ王妃

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が5月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。チャールズ国王の戴冠式について解説した。

傷ついた王室の「ブランドイメージ」を上げる努力をしてきたカミラ王妃

英領北アイルランドのベルファスト近郊ヒルズバラ城で演説するチャールズ国王(左)とカミラ王妃。=2022年9月13日 AFP=時事 写真提供:時事通信

英チャールズ国王の戴冠式 ~70年ぶり

飯田)イギリスで国王の戴冠式が行われました。

宮家)70年ぶりですよね。荘厳な式であり、イギリス国教会の儀式です。つまり国王が就任するのだけれども、戴冠を行う。

飯田)王冠を貰う。

宮家)これには宗教的な意味があるのですが、よく調べてみると、もともと王様が王冠を貰う儀式は宗教指導者が行います。王権神授説でしょうか、そういった経緯があって、ヨーロッパではそうなのだけれど、実はイギリスでも15世紀までは英国王はローマ教皇が戴冠していたのです。

カンタベリー大主教が王冠を授けることになった経緯

宮家)形式的にはローマ教皇から王冠を貰うことになっていたそうです。ところが16世紀の時代に、ヘンリー8世は奥さんと離婚したかった。離婚したいけれど、カトリックは離婚を認めませんからね。

飯田)認めません。

宮家)ヘンリー8世はローマ教皇とも関係がよくなく、他にもカトリック教会の司教の任命権や、教会の財産の権限などいろいろ政治的問題があって、結局、カトリックを辞めてしまいました。それでイギリス国教会ができた。だからいまはカンタベリー大主教が王冠を授けるのです。

飯田)なるほど。

宮家)となると、実はヘンリー8世の時代から、イギリス王室はあまり変わっていないのではないかと思う時もあります。そういう意味でもなかなか面白い儀式だったと思います。

王室のブランドイメージを上げる努力をしてきたカミラ王妃

宮家)米紙ニューヨーク・タイムズを読んでいて「なるほどな」と思ったのですが、イギリス王室にはいろいろな経緯があったことも事実だけれど、ダイアナさんの問題で権威が傷ついたことは事実ですよね。

飯田)ダイアナさんの問題で。

宮家)そのあと、カミラさんが最終的に女王になるわけです。それをエリザベス女王が認めるのだけれども、王室は日本と同じように国の象徴ですから、イメージダウンするのはよくない。あるイギリスの学者によると、「王室は一種のブランドである」ということです。

飯田)王室はブランドであると。

宮家)ブランドイメージは大事にしないといけない。カミラさんが結婚したのは2005年ですので、結婚前から20年近くかけてブランドイメージを上げるべく、彼女なりに努力していたことは事実だと思います。その意味では、頭が下がる思いがします。

飯田)チャールズ3世陛下は短気な面があるという話も聞きます。カミラさんがそれをいなしているという報道もありました。

宮家)2人は愛し合っているのでしょうね。

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