元産経新聞ロンドン支局長で在ロンドン国際ジャーナリストの木村正人氏が9月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。天皇、皇后両陛下の英エリザベス女王の国葬参列について語った。
天皇皇后両陛下、英エリザベス女王の国葬参列へ
松野官房長官は9月14日、イギリス・ロンドンで9月19日に行われる英エリザベス2世女王陛下の国葬に天皇、皇后両陛下が参列されると発表した。両陛下の外国訪問は即位後初めてとなる。
飯田)エリザベス女王陛下の棺が国会議事堂に安置され、市民の方々の弔問が始まったという報道が日本国内でもありましたが、現地の様子はいかがですか?
木村)昨日(9月14日)、バッキンガム宮殿にお棺が着き、14日午後2時すぎ~午後3時にかけて、英国議会のなかにあるウェストミンスターホールへ移動する際、葬列の催しがありました。それをひと目見ようと、大勢の人たちが集まりました。気温が高かったので、私の周りでも3人くらいの方が倒れてしまったのです。脱水症状で手足が痙攣していたのですが、30分くらい休んで、また「自分の場所を取っていたから戻してくれ」と入ってこられる方もいらっしゃいました。
飯田)そうですか。
木村)棺には紋章のついたロイヤルスタンドという旗がかけられ、その上に大英帝国王冠が置いてあるのですが、その荘厳な様子は、女王陛下の威厳を漂わせていました。
公務が1年に300~400回、それを70年間繰り返してきた女王と国民の距離の近さ
飯田)在位70年余りでありました。多くの人にとって「イギリスの女王」というイメージだと思うのですが、社会の喪失感はいかがですか?
木村)実に4割以上の人が、女王陛下がお亡くなりになったことに対して涙を流したと言われています。実際、女王陛下を生で見た人は10人に3人の割合でいるということです。
飯田)10人に3人の人が。
木村)公務が年300~400回、多いときには500回くらいあるわけです。それを70年近く繰り返してこられたわけで、そういう意味では、距離感がとても近かったということです。
一般国民が2~3メートルの近さまで女王の棺に近付くことができる
木村)ウェストミンスターホールに棺が置かれているのですが、希望する国民全員が近くで見ることができるわけです。
飯田)希望者全員が。
木村)そういう1つひとつのイベントの制度設計が立憲君主らしいと思います。ウェストミンスターホールは議会内にあるので、立憲君主というものを自分の肌で感じることができる。しかも、亡くなってまで国民との距離をあれだけ近く設定しています。2~3メートルの距離まで近付けるわけで、改めてイギリスの立憲君主制を普及させようという不断の努力には感動しました。
飯田)なるほど。1つひとつのしつらえというものが、まさに立憲君主制であり、それをつくってきた国ですものね。
木村)そうですね。
署名時に邪魔なトレーに苛立つ表情がテレビに映ってしまったチャールズ新国王 ~短気で要求が強いことが国民に知れてしまった
月刊「正論」編集長・田北真樹子)エリザベス女王は在位70年というくらい長くいらっしゃって、国民の親しみもかなりのものだと思うのですが、新国王になられたチャールズさんに対して、イギリス国民はどのように受け止めているのでしょうか?
木村)早くもボロが「ボロ、ボロ」と2回くらい出ています。国王に即位されて注目度が高くなっているので、テレビが一挙手一投足を映し出すわけです。しかし、署名するときに万年筆を置くトレーが邪魔で、執事の人が取りに来なかったことに顔が歪み、「早く取りに来い」という表情をしたのがテレビに映し出されてしまいました。「少し短気であり、要求が強い」ということが国民に知れ渡ったのです。
飯田)その表情から。
木村)本人は学歴もあるので、マネージメントの手腕はあるのですが、短気なところをカミラ夫人がうまくオブラートに包んで隠していた。それが少しずつ国民に知れ渡ってきたかなという感じです。
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