「弔砲」19発の理由 安倍元首相「国葬」 辛坊治郎が解説
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キャスターの辛坊治郎が9月14日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。安倍晋三元首相の国葬(国葬儀)で行われる「弔砲」を19発とする方向で検討されていることについて、解説した。
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吉田茂首相葬儀関連、日本武道館付近に据えられた自衛隊の弔砲 撮影日:1967年10月 写真提供:産経新聞社
9月27日に行われる安倍晋三元首相の国葬で、自衛隊が弔意を示す儀仗や弔砲などを行うことが閣議で了解された。弔砲は19発、参加する自衛隊員は千数百人とする方向で検討している。
辛坊)私のような船乗りの常識でいうと、儀礼として大砲を撃つことは昔からの慣例です。もともと何のために大砲を撃っていたかというと、話は大航海時代までさかのぼります。当時の帆船に搭載されていた大砲は、1発撃つと、次の1発を撃つまでに砲筒を掃除して火薬と砲弾を詰め直さねばならず、非常に時間と手間がかかりました。つまり、即座に連射ができなかったわけです。この不便さが逆に、相手に対して敵意のないことを示せるため、大砲を撃ったとされます。そこから空砲が儀礼化していったという説があります。
儀礼化された空砲では、身分が偉いほど、多くの砲弾を撃ちます。その弾数には国際的な慣例があります。なぜか全て奇数なのですが、上限は21発です。これは国家元首クラスに適用されます。国家元首に次ぐようなポジションの場合は19発。さらに、相手の格によって弾数に基準があります。日本の憲法学者の中には首相を日本の国家元首と主張する人もいますが、国際的な慣例では日本の国家元首は天皇陛下です。そこで国際慣例にならい、今回の国葬では国家元首に次ぐ19発となりました。