「G7広島サミット」 以前に比べはるかに大きくなった日本の役割
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が5月19日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。G7広島サミットについて解説した。
当初は議題のほとんどが経済だったG7サミット ~ロシアのクリミア侵攻から議題が安保中心に
宮家)私が思うに、先進7ヵ国首脳会議(G7サミット)の性格は随分変わってきたような気がします。当初はソ連が強くなって冷戦になり、西が頑張らなくてはいけなかった。しかし、発足当時は「エコノミック・サミット」と言っていたのです。議題のほとんどは経済だったわけです。
飯田)オイルショックのあとですからね。
宮家)ところが、徐々に冷戦が厳しくなり、政治問題を扱うようになってきた。そして、ソ連が崩壊して冷戦が終わり、ロシアを入れてG8になったではないですか。
G7は例えれば町内会の有志の集まり ~すべての人が有志についていくわけではない
宮家)それが結果的に大失敗となって、またロシアを追い出した。最近は安保ばかりです。特にロシアがウクライナのクリミアに入った2014年辺りから。本来であれば、安保問題を扱うなら国連安保理があるのではないかという意見もあると思います。
飯田)国連安全保障理事会が。
宮家)言い方が危険なのだけれど、例えば、町内コミュニティがあるとして、そこに反社のような危ない人たちがいるとするではないですか。そのときに町内会みんなで集まったとしても、結論が出るわけがないのです。そういうときは町内の有志が頑張るしかありません。
飯田)有志が頑張るしかない。
宮家)しかし、町内のみんなが有志についていくかと言うと、そうではない。「どちらにしようか」という人たちもいるわけです。G7は、オフィシャルではありませんが町内の有志の集まりなのです。そういう意味では、「ずいぶん変わったな」という印象があります。
以前に比べてはるかに役割が大きくなった日本
飯田)それがロシアによるウクライナ侵略、そして中国を相手に、どう変わっていくのかという辺りも含めて……。
宮家)中国が参入してきましたから、日本の役割は昔よりもはるかに大きくなっていると思います。
飯田)そのタイミングで日本が今年(2023年)の議長国を務めるのも、歴史のめぐり合わせのようなところがありますか?
宮家)象徴的ですし、広島で開催されることも象徴的だと思います。
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