日本、2032年安保理非常任国に立候補 「当選しても長い間隔が空く。国力低下の影響が…」辛坊治郎が失望

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キャスターの辛坊治郎が5月23日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。日本が2032年に行われる国連安全保障理事会の非常任理事国選挙に立候補したことについて、「当選しても9年という長い間隔が空く。国力低下の影響が出始めている表れだ」と失望感を示した。

日本、2032年安保理非常任国に立候補 「当選しても長い間隔が空く。国力低下の影響が…」辛坊治郎が失望

2018年4月14日、国連安全保障理事会に臨むロシアのネベンジャ国連大使(手前左)と米英の大使ら(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社

松野博一官房長官は23日午前の記者会見で、日本が2032年に行われる国連安全保障理事会の非常任理事国選挙に立候補したと明らかにした。今年1月に非常任理事国入りしたばかりの日本は24年まで任期を残しているが、各国の協力を早期に取りつけて当選を確実にする狙いがある。

辛坊)国連安全保障理事会15カ国のうち、常任理事国の5大国には永久的なポジションが与えられています。その理由は、第2次大戦の戦勝国だからです。日本も常任理事国入りを目指すという議論が浮上した時期がありました。ただし、常任理事国には中国とロシアもいますから、反対されるのは濃厚で、そもそも現実味の薄い話です。それに加え、日本の最近の経済力低下により、この議論はすっかり下火になってしまいました。

安保理には常任理事国以外に、10カ国が非常任理事国に名を連ねます。日本も現在、非常任理事国です。ただし、常任理事国と非常任理事国では立場が全く違います。常任理事国には拒否権がありますが、非常任理事国には多数決の権限しかありません。とはいえ、非常任理事国になっていないと、世界で起きている最先端のことがよく分かりません。

また、安保理の議長は常任理事国と非常任理事国の15カ国で月ごとに持ち回りで務めます。議長国になると討議のテーマを決めることができます。つまり、非常任理事国の立場であっても、日本が議長になったタイミングで、例えば北朝鮮問題を世界に認識してもらうために、討議のテーマにすることもできるわけです。このように、非常任理事国に選ばれることには、それなりに意味があります。

非常任理事国は地域ごとに割り振られ、「アジア・太平洋」枠は2カ国で、このうち1カ国が毎年改選され、任期は2年です。世界には非常任理事国入りを狙っている国が数多くありますから、そう頻繁には回ってきません。それでも日本は概ね3~6年の間隔で非常任理事国入りしてきました。ただ、ニュースにあるように、日本が次回に目指す非常任理事国選挙は2032年です。当選できたとしても、任期は33年からです。つまり、現在の任期が24年で切れますから、当選できたとしても9年という長い間隔が空いてしまいます。

これは、最近の日本の国力低下による影響が、じわじわと出始めている表れだと思います。「日本は経済大国なのだから、世界の中で発言力を確保するのは当然だ」というのが世界的な認識でしょう。日本がしばらくの間、安保理に参加できないのは残念です。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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