コロナ禍よりも電気が消えた「3.11」後の方が厳しかった「飲食店」

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東京都立大学・法学部教授の谷口功一が6月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。改正原子炉等規制法について解説した。

コロナ禍よりも電気が消えた「3.11」後の方が厳しかった「飲食店」

※画像はイメージです

「防衛財源確保法」や「改正入管法」、「改正原子炉等規制法」など、約97%の閣法が今国会で成立

飯田)今国会で内閣が提出した閣法と呼ばれる法律は、約97%の成立率でした。総理はそれを会見でも誇っていましたが、注目された法律にはどんなものがありましたか?

谷口)「防衛財源確保法」や「改正入管法」、あるいは60年を超えても原発の稼働が可能になるという「改正原子炉等規制法」などが大きな成果だったと思います。

現在稼働している原発は7基のみ

飯田)改正原子炉等規制法を使いながら、高浜原発が60年を超えて、また動き出すというニュースも入っています。電力の話は社会生活に直結しますからね。

谷口)現在動いている原発が何基あるのか言うと、再稼働中は10基ということになっていますが、定期検査や停止しているものを除外すると7基しか動いていません。

飯田)稼働しているのは。

谷口)関電と四国と九州で、すべて西日本の原発です。これから夏にかけて暑くなると、電気代が高騰する問題もありますし、高齢者の方などは命にも関わります。もう少し電気に関する問題、取りも直さず原子力に関する問題なのですが、こちらを進めてもらわなくてはなりません。

3.11のときが最も厳しかった飲食業 ~電気と切り離すことができない「ネオン街」

飯田)オイルショックのときは「夜中に電力を使うな」と言われ、テレビも23時で打ち切りになっていました。

谷口)そうでしたね。

飯田)今回のコロナ禍のように、夜の街がまた影響を受けるのかなと思ってしまいますよね。

谷口)また「ネオンを消せ」などと言うのでしょうか。

飯田)「夜中に騒ぎながら電気を使ってはいけない」というような風潮になってしまうのですか?

谷口)コロナ禍が明けてお店に行き、「これまでにいつが最もキツかったか」と聞くと、意外と「3.11のあとが最もキツかった」とみんな言うのです。看板の電気が消えて街が真っ暗になり、「あのときほど厳しかったことはない」と言います。電気が消えるというのは、飲食店にとっても大きな問題なのです。

飯田)当時は「輪番停電」のため、地域で区切って停電させました。

谷口)夜の街は「ネオン街」とも言いますが、やはり電気と切り離すことはできません。

コロナ禍で起こった報道被害や人権侵害を繰り返さないで欲しい

飯田)飲食店を始める若い人が多いという話も聞きます。

谷口)スナックを始める若者が最近増えてきたようです。コロナ禍に集まれなかった反動もあるのだと思いますが、最近は飲み会も増えています。都心で少しいいところだと、まったく予約が取れません。二極化していて驚きますが、すごい問題だなと思います。

飯田)その辺りで経済が回っていくことになると、喉元過ぎれば熱さを忘れるようなところがあります。谷口さんも指摘されていましたが、コロナ禍での飲食店への規制は、実は憲法上の問題も孕んでいたのではないかという。

谷口)営業の自由ですね。

飯田)その辺りがそのままになっているように思います。

谷口)もう少し反省して欲しいです。クラスターが発生した際も、報道被害や重大な人権侵害があったので、あのようなことがまた起こらないようにしてもらいたいですね。

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