処理水放出 政治家には「その場で魚を食べる」パフォーマンスが必要 ~漁業関係者と面会するのであれば安全性アピールとして

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数量政策学者の高橋洋一が7月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。福島第一原発の処理水の海洋放出について解説した。

処理水放出 政治家には「その場で魚を食べる」パフォーマンスが必要 ~漁業関係者と面会するのであれば安全性アピールとして

東京電力福島第一原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク=2022年11月7日午後1時46分、福島県大熊町 写真提供:産経新聞社

西村経産相が福島県漁連と面会

飯田)福島第一原発の処理水を海に放出する方針をめぐって、西村経産大臣が7月11日、福島県漁連の方々と面会しました。7月に入ってからIAEAの事務局長が来日して説明するなど、いろいろと動いています。風評被害が心配だと言われていますが。

高橋)風評被害を招くような発言をする人もいますね。

飯田)公明党の山口代表からは「海水浴シーズンは避けた方がいい」というような発言がありました。

高橋)なぜ、風評被害を生むようなことを言うのかなと思います。そこで皆さん泳いだり、獲れた魚を食べるなどしたらよろしいのではないでしょうか。政治家にはそういうパフォーマンスも必要だと思います。

飯田)魚に関しては、流通しているものはモニタリング検査し、基準値以下であることが確認されています。基準値どころか、もはや検出限界以下という場合が多いのですが。

漁業関係者と面会するなら、「みんなで福島の魚を食べましょう」とその場で魚を食べるようなキャンペーンにした方がいい

高橋)食べたとしても、どうということはないのでしょう?

飯田)問題ないですね。

高橋)「理解を」と言うより、「みんなで福島の魚を食べましょう」と、その場で食べた方がいいのではないかな。

飯田)実際に大手流通でも、「福島鮮魚便」を行っているところもありますからね。

高橋)漁業関係者の人も風評被害が心配だと言っているのでしょう。それなら風評被害をなくすような会談にすればいいと思います。その場で魚をみんなで食べるとか。

メディアが風評加害を行っているという指摘も

飯田)このニュースについて「会う相手が違うのではないか」、「メディア関係者と会った方がいいのではないか」というような意見もいただいています。特に「地元メディアではなく、大手メディアと会った方がいいのでは」というような指摘もあります。

高橋)活動家のようなメディアもありますからね。気を付けなければいけません。私も「メディアの人間が風評被害を出しているのでは」と思う部分もあります。

飯田)「風評加害を行っているのではないか」という指摘もあります。

政治的な立場から「安全ではない」と発言する中国

飯田)科学的な部分で「安全である」ということは、IAEAのお墨付きも出ました。

高橋)それでもまだ「安全ではない」と言っている国が1ヵ国あります。変ですね。

飯田)科学的云々というよりは、政治的な立場からの発言ですかね。

高橋)これまでは「靖国参拝」などで非難してきたけれど、「いい題材ができた」と思っているのではないでしょうか。

飯田)いままでは中国及び韓国だったわけですが、韓国は政権が代わりました。

中国や韓国の野党から「分担金で日本が買収したのでは」という批判も

高橋)中国も韓国も、IAEAに職員を派遣しているのでしょう?

飯田)今回の報告書が出ましたが、調査団には中国や韓国の専門家の方々も入っています。

高橋)それでは何も言えないですよね。「日本には分担金があるではないか」「分担金があるから中立的ではない」などと言う人もいますが、中国の分担金の方が大きいではないですか。

飯田)韓国の野党や中国から「分担金で買収した」というような批判が出ましたけれど、それに乗ってしまうような日本の方もいます。

高橋)自分たちが普段よく買収しているから、「日本もしているだろう?」という考えになるのでしょうか。

飯田)しないはずがない、と。事実として、分担金に関しては経済規模に基づくのですか?

高橋)GDPで出す比率を決めているのですが、算式があるのでGDPから計算できます。

飯田)ただ、必ずしも出さなければいけないものではなく、アメリカも出していない期間はあるというような話です。政治的な思惑のなかで「出す、出さない」を決めていると。

高橋)入れたり出したりするでしょう。

福島第一原発より、桁違いに多くのトリチウムを放出している海外の原子力関連施設

高橋)レポートを読めば科学的かどうかはすぐわかります。中国も韓国もトリチウムをたくさん出しているではないですか。

飯田)トリチウム放出の国際比較を経済産業省・資源エネルギー庁も出しています。それを見ると、確かに福島でこれから出そうとしているものと、海外の原子力関連施設から出ているトリチウム量の比較では、桁が違います。

高橋)海外は桁違いに多く出しています。でも海洋だから希釈されますし、トリチウム自体も物理的にあまり害がないのです。

飯田)そうですね。

高橋)放射性物質をどのように測るかと言うと、まずは半減期を見ます。トリチウムの半減期は約12年と短い。また、「どのぐらいで体外に出るか」という生物学的半減期がありますが、こちらは約10日です。

飯田)半減期というのは、放射性物質の量が半分になるまでの時間。

高橋)放射性物質はどんどん減っていくのです。また、トリチウムの出す放射線はとても弱いので、紙1枚で遮断できます。性質的に言うと、ものすごく弱いのです。

飯田)生物学的半減期に関しても、体内に取り込まれたトリチウムがどのぐらいの日数で体外に排出されるかですが、水に溶け込んでいるようなものだから……。

高橋)水にほとんど溶けているから分離しにくいのですが、逆に言うと、すぐ外に出てしまうのです。出てしまえば関係ありません。

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