キャスターの辛坊治郎が7月13日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。香港政府が、東京電力福島第1原子力発電所の処理水が海洋放出されれば、「日本の10都県の水産物を輸入禁止とする」と発表したことを巡り、「嫌がらせだ」と指摘した。
香港政府環境生態局の謝展寰局長は12日、東京電力福島第1原子力発電所の処理水が海洋放出されれば、「日本の10都県の水産物を輸入禁止とする」と発表しました10都県は宮城、福島、茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、新潟、長野で、海に面していない県も含まれている。
辛坊)結論からいえば、嫌がらせです。
実は、日本の水産物の輸出先は中国と香港で全体の約4割を占めています。その内訳は中国が2割強、香港が2割弱です。香港に高度な自治が認められていた「一国二制度」の時代であれば、香港は独自でさまざまな判断ができましたが、今はそういう状態ではありません。実質的には中国政府が全て決めています。今回の輸入禁止についても、中国政府がどの程度の範囲にするかの線引きをしています。そこで、手始めに香港が使われたわけです。
日本政府は今年夏に東京電力福島第1原子力発電所のトリチウムを含んだ処理水の海洋放出を目指しています。ただ、海沿いにある原発であれば、日本だろうと、中国だろうと、ヨーロッパだろうと、トリチウムを含んだ処理水を海に流してきています。ですから、今回の処理水放出も、それによって水産物が汚染されるという話ではありません。そのように科学的に正しい判断がなされています。とはいえ、政治判断は別の話です。中国としては嫌がらせをするには、いいネタができたということです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)