キャスターの辛坊治郎が7月27日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。2019年の参院選広島選挙区を巡る買収事件で、東京地検特捜部による任意の取り調べの中で 有利な処分を示唆して事件の構図に沿った供述を引き出した利益誘導の疑いがあることについて、「検察は隠したいのだろうが、一部の検事が暴走したのではなく、検察が組織的にやったことだ」と持論を展開した。
2019年の参院選を巡る河井克行元法務相とその妻による大規模な参院選買収事件で、東京地検特捜部の検事が元広島市議の木戸経康元被告の取り調べの際に、不起訴にすることを示唆して供述を誘導したと受け取れる録音データが存在することが分かった。また、既に裁判が始まっている議員11人のうち少なくとも8人が検察による誘導があったなどと主張している。
辛坊)検察のこの捜査手法は、どう考えてもおかしいです。
この事件では、全国から検事が広島に集められました。取り調べの対象者が100人いましたからね。検察は組織的に検事を送り込み、最終的に全員を不起訴処分にしてしまいました。問題になっている供述誘導は、一部の検事が暴走してやったことでは決してないです。間違いなく、検察が組織的にやったことです。
組織的に河井克行、案里夫妻を有罪にするために、検事は金を受け取った側に対して「『お金を賄賂として受け取った』と言えば、起訴しないでやるから」と持ちかけていたはずです。私は過去に、この番組で何度もそう話してきました。
起訴するかしないかは、検事の腹一つで決まります。しかし、この事件では、検察審査会の議決を受けた再捜査で、検察が受領側9人を在宅起訴、25人を略式起訴にしました。この略式起訴を不服として正式な裁判を求めたのが、元広島市議の木戸経康被告です。
裁判では、検察側は木戸被告の供述調書を提出してきませんでした。このため、弁護側は供述調書の対抗措置として持っていた録音データを提出する機会を失ってしまいました。そこで、弁護側は一部のメデイアに録音データをリークし、それが世に出たわけです。検察側が供述調書を提出しなかったのは、何から何まで真実を表に出したくない、隠したいからです。これは、まずいと思いますよ。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)