ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(8月26日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。公職選挙法違反の罪で起訴された前法務大臣・河井克行被告と妻で参議院議員の案里被告の初公判について解説した。
前法務大臣の河井克行被告と妻の案里被告、初公判で無罪を主張
2019年7月の参議院選挙をめぐって県議らに現金を渡したなどとして、公職選挙法違反の罪で起訴された前法務大臣の河井克行被告と、妻で参議院議員の案里被告の初公判が8月25日、東京地裁で開かれた。2人は現金を渡したことを大筋で認めたものの、買収目的については否認、無罪を主張した。
飯田)総額およそ2900万円を配布したとされる事件ですが、検察と全面的に争う姿勢です。
なぜお金をもらった100人は不処分なのか~バランスを欠いた裁判
高橋)河井さんの方の理由にも興味があります。これは前の地方選の話ですよね。選挙はずっとやっているので、前の話なのか、これからの話なのかがわかりにくいです。検察の方も不思議なのは、通常だとお金をもらった人も立件します。そうでないとおかしいです。あげた人、もらった人の両方を立件するという形です。
飯田)贈賄と収賄になるわけです。
高橋)司法取引となると話は別ですが、公選法は司法取引の対象外ですから、そもそもあり得ません。略式命令くらいすればバランスが取れたのに、なぜ検察はしなかったのか疑問があります。
飯田)冒頭陳述でやっていますが、河井さん側の弁護人はその部分を指摘しています。証人としての証拠をどう取り扱うかというところを、慎重にして欲しいと裁判官に要望しています。
高橋)そうでしょう。立件も何もされていないのであれば、もらった人が検察側に都合よく話した可能性があります。
現金受領者の話を証拠に採用するのであれば略式命令くらいはかけるべき
飯田)証人はご高齢の方も多いということで、オンラインで広島地裁とつないでやるという形になっているそうです。
高橋)どちらも釈然としない理由があるな、という感じがします。
飯田)そこに選挙区の事情のようなものが絡んで、「県連が一切支援してくれないから」という話も出ています。
高橋)自民党の本部の方も、お金をたくさん出しています。100人の話を証拠に採用するのであれば、略式命令くらいはかけて、きちんと手続きをする。お金をもらった方も、「確かにその意図でした」と言っているとしないと、裁判としても証言の信ぴょう性に関わりますよね。自分が罰せられないとわかれば、何でも話してしまうかも知れませんからね。
飯田)司法取引の導入のときに、そこは危惧されたところですよね。
高橋)今回は適用にもならない話なので、なぜ検察がやらないのかわかりません。「謝罪しているのでいい」という言い方をしていますが、それであれば、みんな謝罪しますよね。
12月18日まで55回の公判期日が指定
飯田)今回は百日裁判の対象で、公選法の規定によって早く結論を出すというものですが、証人が多い。
高橋)100人呼んだら無理でしょう。
飯田)毎日やらなければいけなくなりますね。そのため、12月18日まで計55回の公判期日が指定されたということです。
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