「核抑止」と「核廃絶」 この相矛盾するテーマをどう捉えるべきか

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NSBTシニア・ストラテジストの長島純が8月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「核抑止」と「核廃絶」について解説した。

「核抑止」と「核廃絶」 この相矛盾するテーマをどう捉えるべきか

※画像はイメージです

長崎原爆の日 ~岸田総理「核軍縮の進展に向けた機運をより一層高める」と述べる

岸田総理は8月9日、長崎で行われた「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」に出席する予定だったが、台風6号の影響で規模を縮小したため出席せず、ビデオメッセージを送った。

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岸田総理)先進7ヵ国首脳会議(G7広島サミット)の確かな成果を土台とし、核兵器のない世界の実現に向け、核軍縮の進展に向けた機運をより一層高めて参ります。

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「核抑止」と「核廃絶」 ~この相矛盾するテーマをどう捉えるか

飯田)広島・長崎原爆の日、平和宣言等々の報道のなかで、「核抑止」と「核廃絶」という2つの相矛盾するテーマが言われます。この2つのテーマについて、どう捉えたらいいでしょうか?

長島)核に関する軍備管理の状態が非常によくない。なぜかと言うと、「中距離核戦力(INF)全廃条約」がなくなってしまったからです。

飯田)INF全廃条約がなくなったため。

長島)米露間では「新戦略兵器削減条約(新START)」がありましたが、ロシアが履行停止を表明しました。この状況ですから、新しく(条約などが)つくられることもないだろうと予想されます。核軍縮、核の軍備管理に関する枠組みがなくなってきているのです。

飯田)核軍縮の枠組みがなくなってきている。

長島)中国はまだこのなかに入ろうとしませんし、北朝鮮も当然、独自の体制を取っています。そうすると「核を持った方が有利なのではないか」と考える国が出てくるかも知れません。ヨーロッパやNATOでは核の威嚇、ロシアがウクライナに核兵器を使うのではないかという懸念がある。

飯田)そうですね。

長島)NATOは「(核を使用すれば)紛争のレベルが変わる」と言っています。我々もそのようなメッセージを出して、「核を使うと何が起きるか」を相手に思い知らせることが大事だと思います。

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