キャスターの辛坊治郎が8月16日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国の16~24歳の失業率が20%を超えて過去最悪を更新していることを巡り、「国策でやたらに増やした大学院生が、コロナ禍明けで一気に就職求人市場へ出てきたことが要因だ。実際にはもっと悪い状況なのではないか」と指摘した。
中国国家統計局は16~24歳の失業率の公表を一時停止すると発表した。「統計の改善のため」と説明しているが、この年齢層の失業率が20%を超えて過去最悪を更新する中での異例の対応となっている。また、7月の新築住宅の価格指数は、主要70都市のうち49都市で前月と比べて下落した。
辛坊)中国の若者の失業率が、とんでもないことになっています。この事態は、国策で大学院生をやたらに増やしたことが要因です。
中国政府は、新型コロナウイルス禍によって社会封鎖されている状況の中で、大学を卒業しても就職先がない学生たちを、ある意味で救済策として大学院へ送り込みました。これによって、大学院生の数が一気に増えました。この大学院生がコロナ禍の行動規制が解かれたため、中国の景気が先行き不安になっている状況の中で、一気に就職求人市場へ出てきたわけです。
中国では「寝そべり族」といって、仕事に就かず寝転がって食事だけは食べて生きているような人が増えています。こういう人たちは就職活動をしていません。つまり、統計上は失業者の対象にはならないわけです。統計上の失業者は、あくまでも仕事を探している人が対象です。ですから、中国の16~24歳の失業率は実際には50%を超えているのではないかと指摘する専門家もいます。
中国政府は、16~24歳の失業率の公表を一時停止する理由を「統計の改善のため」としていますが、本当の数字を表に出すと社会不安を招いてしまうことを懸念しているのでしょう。それでなくても信用できない中国の雇用統計ですが、我々が思っている以上に状況は悪いかもしれません。
この記事の画像(全1枚)
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)