「トー横」に集まる若者の特殊性は「ネオストリート」と「メンケア」 歌舞伎町の社会学を研究する現役慶大生が解説

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東京を代表する一大歓楽街である新宿区歌舞伎町の社会学を研究する、現役の慶応大生でライターの佐々木チワワさんが8月16日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。東京・歌舞伎町の一角「トー横」に集まる若者の特殊性について、「ネオストリートとメンケア」と解説した。

「トー横」に集まる若者の特殊性は「ネオストリート」と「メンケア」 歌舞伎町の社会学を研究する現役慶大生が解説

「新宿東宝ビル(TOHOシネマズ新宿)」周辺の「トー横」に集まる若者ら=2023年7月27日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社

東京都の小池知事は8月10日、中学生、高校生を中心とした未成年者が集まり性犯罪などに巻き込まれる問題が深刻化している新宿区歌舞伎町の新宿TOHOビルの東側の路地や周辺の、いわゆる「トー横」を視察した。トー横を巡っては、有識者らで構成する都青少年問題協議会が7月27日、「未成年者だけでなく、大人と周辺施設を含めた3者を対策の柱に据えるべきだ」などとする答申を都に提出し、都は具体的な対応策の検討を進めている。

辛坊)「トー横」に集まってくる若者は、そこに何を求めているのでしょうか。

佐々木)その子によって関わり方が異なります。そこにいるだけで楽しい子もいれば、仲間がいる、話が通じるから集まってくる子もいます。また、嫌なことをしないで済むという自由を求めてくる子もいます。

辛坊)若者が集まる場所は、時代によって移り変わります。私のような昭和世代だと、東京・原宿の竹下通りや、その近くで「竹の子族」と呼ばれた若者が集まった代々木公園横などが記憶にあります。当時、こうした所に集まってきていた若者たちと、今、トー横に集まってくる若者たちは、特徴に違いがあるのでしょうか。

佐々木)トー横に集まってくる子たちに関しては、2つの特殊性があると見ています。1つは、インターネットでつながったうえで、ネットとリアルが近いという点です。彼ら、彼女らは「インスタグラム」「TikTok(ティックトック)」「(旧ツイッター)」のハンドルネームを通じてネットとリアルを毎日、行き来しているネオストリートのような感覚を持っています。例えば、路上で起きたけんかの話などをすぐにネットに上げてバズらせ、「昨日、こういうことがあったんでしょ」とニュースに昇華させる特徴があります。

もう1つの特殊性は、「メンケア」です。

辛坊)それ、何ですか。

佐々木)「メンタルケア」の略です。女の子が男の子にお金を渡すことで、男の子はその女の子のメンタルをケアします。ありていに言えば、ホストの色恋に似ています。お金を払って、自分がつらいときや病んでいるときに相談にのってもらうような関係性です。

辛坊)どこで出会うんですか。

佐々木)路上もあります。また、ネット上だったりもします。ネット上でちょっと有名な男の子に会いに行くといった感じです。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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