義務化された“事故記録装置”「イベントデータレコーダー」 その大きな役割

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近年、その活用が急拡大している「EDR(イベントデータレコーダー)」。

義務化された“事故記録装置”「イベントデータレコーダー」 その大きな役割

事故車両を診断する様子。

「イベントデータレコーダー」とは、エアバッグなどが作動するような事故が起きた時に、自動車のアクセルとブレーキがどう操作されたかを詳細に記録する装置。去年2022年7月以降、新型車には、搭載が義務化されてる。

普段は作動しないこの装置、事故発生時に数秒間さかのぼって記録する。では、何を記録するのか。ドライブレコーダーと違って、動画や音ではなく、衝突の直前から衝突した間の車両のデータを「数値」として記録する。これによって、アクセルやブレーキをどのように踏んだのか、事故の時の運転者の状況が分かる。

このEDRが注目されるきっかけになったのが、2019年に東京・池袋で母子2人が亡くなった暴走事故である。当初、加害者が「ブレーキが効かなくなった」と無罪を主張していたが、検察側が提出したEDRの解析結果で、「アクセルペダルを踏み続けていた」事が判明。つまり、事故原因はブレーキの故障ではなく、運転手がブレーキとアクセルを踏み間違えだった事がEDRによって証明されたのである。

EDRの国内普及率は5割ほど。今後、自動運転の実用化が進むと事故原因が「システムの誤作動」なのか「運転手のミス」なのかを見極める際にも大事な役割を果たす事が期待されている。

なお、このEDRのデータは中古車の車両評価にも活用される動きがある。部品大手のボッシュは、来年2022年からEDRのデータを活用して、中古車の事故歴を調査するサービスを始める方針である。車両のEDRのデータをAI人工知能で分析し、衝撃を記録した回数などを1枚のリポートで提供する。購入した中古車が事故車だったというケースもあるが、EDRを使う事で、事故車のごまかしを防げるようになるのかもしれない。

~ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』「夏の交通安全特集」8月18日放送分より

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