数量政策学者の高橋洋一が8月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。福島第一原発の処理水の海洋放出について解説した。
福島第一原発の処理水放出
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飯田)福島第一原発の処理水の海洋放出は、早ければ8月24日にも開始するということです。中国や香港など、日本の水産物の輸入が減少しています。中国では日本からの輸入水産物の放射性物質の検査が強化され、輸入が減っているということです。
福島で福島産品の検査結果が随時公表されていることを報道しないマスコミ ~処理水の海洋放出については大きく報じるが
高橋)日本側がどのようにチェックしているのか、マスコミはもっと報道するべきだと思います。今回のように、放出するようなときだけは大きく報道されますよね。しかし、例えば福島だと、福島産品の検査が随時公表されていますが、それについてはほとんど報道がないのです。
飯田)確かにそうですね。
高橋)不思議で仕方がありません。「報道しない自由」があるのかも知れませんが、定期的に検査しているわけです。「まったくの安全」という結果がずっと続いているわけですが、それを報道しないので、みんなわからないのですよね。
「福島産品がどのように検査されて、どのような結果が出ているか」を知れば、中国は輸入規制などしないはず ~毎日モニタリングチェックしていて、安全なものしか市場には出ていない
高橋)「福島産品の水産物はこのように検査されて、このような結果が出ています」と定期的に報道していれば、中国は放射性物質の検査強化などできないはずなのです。
飯田)毎日モニタリングチェックされており、もし基準値を超えるものがあったら「出荷をすべて止める」とされています。市場に出てくるものに関しては、安全なものしか出ていません。
高橋)安全なものです。それを毎日報道してくれたら、だいぶ違うのです。報道しない自由があるのかも知れませんが。
風評被害はマスコミがつくっている ~消費者庁の調査では「放射性物質があるかも知れないから購入しない」という人は5%もいない
高橋)風評被害の話も、消費者庁が毎年調査していますが、「放射性物質があるかも知れないから購入しない」という人の比率はどんどん下がっているのです。もう5%もないくらいです。
飯田)そうなのですね。
高橋)だから風評被害というものは、実はもうないのです。風評被害を誰がつくっているのかと言ったら、おそらくマスコミなのですよ。マスコミの方には申し訳ないですが。結果的には、「科学的な安全性をいくら説明してもわからない人がいる」となると、風評被害になりますからね。
飯田)「安心」の部分は各々個人の心持ちのところがあるので、「イメージ」の部分で考えると「正しい、安全だ」ということが報じられないと、「何となく不安」と感じる人が「何となく不安」なまま放置されてしまうことになりますよね。
異常値や「処理水放出」だけを報じ、安全に関する報道が少ない ~通常値だけを毎日報道するべき
高橋)あとは報道の非対称性があり、安全性に関する報道はすごく少ないけれど、不安を煽る報道がとても多いのです。
飯田)モニタリング調査でも、少し基準値を超えたものがたまたま出た場合は大きく報じますが、毎日、基準値超えをしていないものが安全に出ていることは、ほとんど報じませんよね。
高橋)報道の非対称性はいつもあるのです。私は統計処理をしていますが、いつも異常値だけを報じている感じがします。異常値が出たことだけを報道するとバイアスが掛かり、「安心できないのではないか」と思ってしまう。
飯田)そのようなイメージがついてしまうのですね。
高橋)統計的に考えて見れば、通常値だけを報道してくれたらいいのではないかと思いますね。
HP「ふくしまの恵み」で福島産品の放射性物質の検査情報を随時公表
飯田)ホームページ「ふくしまの恵み」では、福島県の農林水産物の「放射性物質検査情報」がリアルタイムに近い数字で毎日更新されています。ご覧いただければと思います。
高橋)みんなそういうことを言わないですよね。
飯田)現場の生産者の方たちは「そこに憤っている」ということを、何度も見聞きしております。
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