ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月21日放送)に自由民主党・参議院議員の青山繁晴が出演。福島第一原発の処理水について解説した。
福島第一原発の処理水の処分~梶山経産大臣が「先送りできない」と強調
梶山経済産業大臣は10月20日、福島第一原発の処理水の処分方法について、閣議後の記者会見で、これまでに出た意見を丁寧に整理し、早期に結論を出したいとの考えを改めて強調した。処理水の量が日々増加していることを踏まえれば、いつまでも方針を決めずに先送りできないとしている。
飯田)以前に夕方の番組「ザ・ボイス」でご一緒していたときも、青山さんはこの処理水についての問題提起をされていました。
青山)福島第一原発の所長だった亡き吉田昌郎所長、私が作業員以外で初めて現場に入ることを認めてくれた人です。この吉田さんが亡くなる直前にいただいたメールに、「もともと水が多いところなので、これを海に出さなければ大きな問題になる」と書かれていました。これは遺言の1つだと思っています。
放射線障害で亡くなった方はいないし、治療を受けた人もいない
青山)福島第一原発の周辺では、災害関連死でたくさんの死者を出しました。避難する必要のない方を無理やり避難させることで、医療が受けられなくて亡くなった方も多いです。逆に放射線障害で亡くなった方は0人で、放射線障害で治療を受けた人もいません。私は構内にも入って調べている立場ですから、CNNやBBCの取材も受けました。取材後、BBCが自宅に来て「あなたは治療を受けた人はいないと言ったけれど、1人いた」と言われました。私は即座に「それは千葉の放射線医学総合研究所の病院に行った自衛官です。あの人はふくらはぎが熱いところに当たって、やけどしたのです。念のため、放射線医学の専門病院で診察を受けたけれど、放射線障害が0なので普通のやけどの治療をして、もう部隊に戻りました」と答えました。それをBBCが調べて、「本当ですね。その通りでした」と言いました。そして、「なぜ日本ではこのことが言われないのか」とも言われました。
飯田)放射線障害で亡くなった人はいない。
青山)放射性物質の漏洩があったのは事実ですが、線量が極めて低かったため、子どもはヨウ素剤も飲みませんでした。ヨウ素剤を飲むと、それ以上放射性物質が入って来ないのですが、線量があまりにも小さいので、飲まない方がいいということで、誰も飲んでいません。このお水についても、よくメディアで「汚染水」と言われます。汚染はしていましたが、それは処理されてトリチウムだけになっています。トリチウムの量が多い、少ないはありますが、いま私の飲んでいる水にも入っているものです。
韓国の月城原子力発電所の処理水の放射線量は福島の100倍
青山)韓国は、日本が水を海に出すのはけしからんと言っています。安倍総理は文在寅大統領に、「韓国の原発が出している放射線量の方が、日本の100倍ですよ」と言っているのです。日本は韓国の100分の1です。本当は130分の1なのです。これは韓国の月城原子力発電所のことです。トリチウムは世界中の原発から出されています。日本も再稼働した原子力発電所は、トリチウムが入っている水を普通に出しています。福島だけいけないということは、私は「逆風評被害」だと言っています。漁家の方々がやっと静まったのに、また新たにメディアから「汚染水が海に出た」と言われたら、風評被害が酷くなると漁業者の方が言っているのは正しいです。だからそれを完全に防ぐ努力をしなければいけませんが、大学の先生方の声も国民に届きません。違う声だけ届くのは奇妙な話です。梶山経産大臣が「先送りできない」と言われたのは象徴的な言葉です。安倍政権が先送りしていたことをやっているのです。
飯田)そうですね。
青山)梶山さんは菅総理と親しいので、「先送りできない」と梶山さんが言った言葉は菅総理の言葉として聞いた方がいいです。その代わり「三重水素トリチウム」、耳慣れない言葉ですが、「いや、それでも違うのだ」という対立する意見と堂々と議論して、まずは日本の主権者が納得して福島の魚を買えるように努力をするべきです。
EUの基準よりも厳しい基準を守っている福島第一原発
飯田)福島で漁家の方や県の水産試験場などを取材して回ると、国際的に厳しいと言われているEUよりもはるかに厳しい基準を守り、それを自主基準で更に厳しくモニタリング調査をして、「もし出た場合は、全部の魚の出荷を止めるという覚悟でやっています」とおっしゃいます。
青山)国際社会からは理解が進んでいます。
飯田)「何でこんなことまでやっているのか」と見学する方に必ず言われると言っています。
青山)他の国の基準が変わってしまうと。
飯田)むしろ他の国が厳しくなってしまうということですね。
青山)「汚染されているのではないか」とヨーロッパの環境保護派に言われるのを、みんな恐れています。そのなかで、韓国だけが日本産の禁止を未だにやっています。これは韓国の孤立化を進めるだけです。もう1度言いますが、私は水を出すことに賛成します。原子力規制委員会も、前からこの決断を出しています。ただし、風評被害の防止策は不十分です。これは、国会議員1人1人の責任でもあって、私たち全国区もそうですし、衆議院の小選挙区の方は、目の前に主権者がいるので、そこで努力しなければいけません。
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