ジャーナリストの須田慎一郎が9月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。文部科学省が東京地裁に解散命令を請求する方針を固めた旧統一教会について解説した。
旧統一教会に解散命令請求へ ~解散命令は年内いっぱい掛かるのでは
飯田)政府は10月中旬にも世界平和統一家庭連合(旧統一教会)について、教団への解散命令を地裁に請求する方向で調整に入りました。
須田)10月中旬に解散命令を請求できるかどうかは、微妙だと思います。その前に行政罰を科すよう、東京地裁に求める動きを見せていますよね。信教の自由との兼ね合いがありますから、丁寧に手続きを進める必要があります。
飯田)信教の自由との兼ね合いで。
須田)ただ、もちろん不服申し立てが行われるでしょうし、おそらく行政罰が確定するのに年内いっぱいは掛かるのではないかと思います。その手続きを踏んだ上で解散命令の請求になるでしょうから、年明けにずれ込んでいくのではないかと思います。
法人格がなくなっても宗教活動は続けられる ~これだけの社会問題を起こしている宗教団体に恩恵を与える必要はない
飯田)解散命令があっても完全に組織がなくなるわけではありません。宗教法人としての法人格がなくなれば、さまざまな税優遇などはなくなると思いますが、これについては問題が出てきた当初から言われていました。信教の自由との兼ね合いは付いて回りますよね?
須田)宗教法人としては解散しても、宗教活動はできますからね。法人格を持たずに宗教活動を行っている宗教団体はいくらでもあります。これだけの社会問題を起こしているわけだから、恩恵を与える必要はないと考えれば、信教の自由との軋轢は起こらないのではないかと思います。
岸田首相に求められるのは、毅然とした対応を取ること ~手続きを踏んで慎重に進める必要がある
飯田)動員力など、政治との関わりの部分が当初からも言われていました。今回、それが解散の話と絡んできますか?
須田)手続きを意図的に遅らせる、または行わないことになると、「ほら見たことか。自民党はこの宗教団体と密接な関係を持っている」と思われてしまいます。
飯田)解散命令の請求を遅らせるようなことがあれば。
須田)岸田首相に求められるのは、毅然とした対応を取ることだと思います。だからと言って「拙速にやれ」ということではなく、1つひとつ手続きを踏んで、慎重に進める必要があるでしょう。
飯田)既に質問権を7度行使し、7回目の回答の受領が8月22日にありました。最初は質問権を1回行使して「すぐにでも」という話でしたが、かなり慎重に対応しているのでしょうか?
須田)そうですね。丁寧な対応を取っているということです。
これだけの社会問題を起こしたのだから、責任の所在を明らかにするべき
飯田)高額献金などが問題になりましたが、組織的に行われていたのではないか、または自発的な献金とは違うのではないか、というところが明らかになってきたのでしょうか?
須田)教団側も「かつては問題があった。ただ、一連の対応を受けて改善しているのだから、解散命令請求はおかしいのではないか」と言っていますが、「かつて問題があった」と認めているわけです。その辺りについてどう捉えるかだと思います。
飯田)政治的な部分の話になってしまい、スタンスによってどう処分するのかが変わってきているところがありますが、法律に則って進めるべきだということですね。
須田)これだけの社会問題を起こして、被害者も出ているのだから、責任の所在を明確にし、責任を負ってもらうことが必要です。それはやらなければならない。「宗教法人だから、信教の自由があるから」ではなく、「問題を起こしたから」です。
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