ジャーナリストの佐々木俊尚が9月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。開業が2030年に延期された大阪IRについて解説した。
大阪IR、2030年に開業延期
大阪府と大阪市は9月5日、カジノを含む統合型リゾート(IR)の開業に必要な取り決めをまとめた実施協定案を公表し、開業時期について当初予定していた「2029年秋~冬ごろ」から「2030年の秋ごろ」に延期すると発表した。
飯田)1年遅らせた理由は、政府による区域整備計画の認定が想定より遅れたためだとしています。
佐々木)まだ6~7年先なのに早くも1年延期したということは、今後さらに延期する可能性もあるのではないかと思います。
大阪万博での建設の遅れと連動か ~大阪・関西万博では、時間外労働の上限がある「働き方改革」の対象外にできないかという動きも
佐々木)詳しい情報があまり出てきていないので、よくわからないのですが、おそらく大阪万博でパビリオンの建設が遅れている問題と連動している可能性もあると思います。
飯田)大阪万博のパビリオン建設の遅れと。
佐々木)いまは建設費が高騰しているし、働き方改革による2024年問題でトラックドライバーが足りなくなるなど、現場の人員が不足する問題があります。
飯田)まさに建設現場の問題が。
佐々木)その影響で、2025年の万博まであと1年半ぐらいしかないのに工事が進んでおらず、着工した海外パビリオンが1つもないという状況です。
飯田)特区的に働き方改革の条件を取り払って欲しいという話も出ています。
大阪万博を特例にしてしまうと働き方改革がなし崩しになってしまう
佐々木)そういう話も万博の主催者から出ているのですが、一方でゼネコンなどの話では、そこだけ特例で認めてしまったら、他にも特例を認めるパターンが出る可能性もある。働き方改革がなし崩しになってしまうので、特例にしてはいけないという意見もあります。
飯田)万博を特区にしてしまうと。
佐々木)岸田政権としても、どういう扱いで万博に対応するのか。万博のために一旦、働き方改革をやめるというのは、あまり国民の納得を得られないと思います。
飯田)万博の理念は「将来の展望を示す」というものですが、未来も変わらずに厳しい労働環境になるのかと思われると、メッセージとしておかしくなりますよね。
AIやメタバースなど、万博における技術の「新しい見せ方」を考えるべきだった
佐々木)そもそも「万博とは何なのか」ということです。パリ万博の時代から、技術の進化などを見せてきました。
飯田)19世紀の終わりから。
佐々木)しかし、いまの技術はAIやメタバースなどもそうですが、目に見えるものではないのですよね。「技術とは何なのか」を見せるときに、旧来の万博パビリオンではない形の「新しい見せ方」を、もう少し考えてもよかったと思います。いまさら言っても始まりませんが。
飯田)確かに。物語として見せるなど。
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