アメリカ政治に詳しい明治大学教授の海野素央氏が9月11日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。2021年のアメリカ連邦議会占拠などトランプ前大統領を巡る一連の裁判について、「テレビで生中継される可能性がある。大統領選に向けた共和党の指名候補争いで波乱の芽になる恐れもある」と解説した。
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米オハイオ州で開かれた共和党候補の集会で演説するトランプ前大統領=2022年11月7日(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
2021年のアメリカ連邦議会占拠を巡り、事件を引き起こしたとして起訴されたトランプ前大統領の初公判が24年3月4日に行われる。この日は、大統領選に向けた共和党の指名候補争いの天王山となる「スーパーチューズデー」の前日にあたり、その影響に注目が集まっている。こうした中、共和党内では「トランプ2.0」と呼ばれるダークホースの躍進も伝えられている。今後の行方は一体どうなっていくのか―。
海野)2020年大統領選の結果を覆そうとしたとして、トランプ前大統領が起訴されたジョージア州での裁判は日程が決まっていませんが、裁判の模様がテレビで生中継される可能性があります。ジョージア州だけではなく、議会占拠や機密情報持ち出しといった他の裁判に関しても連邦レベルで、アメリカ人は裁判の模様を見る権利があると、下院議員たちが主張しているからです。
裁判がテレビで生中継されれば、トランプ前大統領がどれだけ不正行為をしたのか、アメリカ国民が広く知ることになり、「トランプ前大統領は正直ではない」と感じるでしょう。そうなると、大統領選に向けた共和党の指名候補争いで波乱の芽となる恐れも出てきます。