東京大学先端科学技術研究センター特任講師の井形彬が10月3日、ニッポン放送「新行市佳のOK! Cozy up!」に出演。東京電力が開始した原発処理水の海洋放出をめぐり、風評被害を受けた漁業者らへの賠償手続きについて解説した。
原発処理水の風評被害について、10月2日から賠償手続き開始
東京電力ホールディングスは10月2日から、福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出をめぐり、風評被害を受けた漁業者らへの賠償手続きを始めた。中国による水産物の輸入禁止で、現時点で影響額は100億円規模になったとみられる。
ローソン、セブンイレブンやくら寿司、イオンやイトーヨーカドーなどで国産水産物を応援するキャンペーンを実施 ~買って応援する「Buycott(バイコット)」
新行)東京都では都内の寿司店や鮮魚店で魚を食べたり購入したりする際に、最大1000円相当のポイントを還元するキャンペーンが実施されます。食べて応援しようというような機運も、国内では次々に起こっていますね。
井形)このようなことを「Buycott(バイコット)」と言います。
新行)ボイコットではなく、バイコットなのですね。
井形)〇〇を買わないというのは「ボイコット」です。そうではなく、買って支援するのは「BUY(買う)」という意味で「バイコット」と呼ばれます。今回、中国からの「水産物を買わない」という経済的威圧に対して、日本の政府、産業、企業、個人レベルで「水産物を応援しよう」という機運が出ているのは、素晴らしいことだと思います。
新行)お店でもキャンペーンが行われています。
井形)10月3日からだったと思いますが、ローソンでは国産の水産物を使った商品であれば割り引きになったり、セブンイレブンでも北海道産のホタテを使ったおにぎりが期間限定で販売されます。また、くら寿司では国産肉厚ホタテの寿司が安くなっています。イオンやイトーヨーカドーなどの小売店も、水産物の量を増やし、なおかつ値段も少し安くしています。ぜひみんなで水産物を食べてサポートし、「バイコット」ができればと思います。
外務省をはじめ、日本の「処理水は安全である」という発信は評価できる
新行)先日の国際原子力機関(IAEA)総会では、中国だけが「処理水」を「汚染水」と言って批判していましたが、各国は理解を示していたという報道もありました。日本の情報発信の仕方は、海外にはどう映っていたのでしょうか?
井形)これは評価できると思います。省庁レベルでも、外務省がかなり頑張って発信していました。「どう考えてもおかしいでしょう」と。「IAEAが安全と言っている」と示し、みんなも「その通りだ」と思っています。あとは政治家レベルでの発信も、かなり積極的にしていたと思いますね。
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