イスラエルを支持するもまだ「様子見」のインド
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戦略科学者の中川コージが10月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。パレスチナ情勢におけるインドの立ち位置について解説した。
パレスチナ情勢を受け、原油先物価格が大幅上昇
飯田)パレスチナ情勢を受け、原油の先物価格が5%を超えて上昇し、1バレル=90ドル台に迫ってきたと報じられました。このような動きをどうご覧になりますか?
中川)中東諸国でトラブルがあれば、産油国が含まれますので、価格変動があるのは地政学リスクとして当然です。いまのところは、まだ数パーセントですが、長期化してさらに価格が変わり、第一次オイルショックのときのような……。
飯田)約50年前のような。
中川)いまはアメリカも産油国になっているので、さすがにそこまではいかないと思いますが、長期化した場合、これからの中東諸国への関与度によって石油価格はダイレクトに響きますので、経済指標が変わってきます。
イスラエルを支持するとするもまだ「様子見」のインド
飯田)各国の関わり方ですが、インドについては日本ではあまり報じられません。石油の消費量ではインドも大きいですし、地理的にも近いところにあります。関心を強く持って見守っているのでしょうか?
中川)インドは早々に「イスラエルを支援する」と言っています。インドの首相がモディ氏で、インド人民党(BJP)だからということもあると思いますが、いずれにしても、インドの石油消費量は高いわけです。
飯田)イスラエル支援と。
中川)当然ながら中東諸国との関連は強いのですが、インドはロシアファクターがあり、その辺りのヘッジもしてきたわけです。当然、インドも影響を受けますし、立場を明確にしているところもありますが、まだ様子を見ている状況です。インドについても中国についても、まだ立ち位置をウクライナ・ロシアのように明確に決めている感じではありません。
飯田)モディ氏の支持基盤がBJPだからという話ですが、政権が違ったら、対応も違った可能性があるのですか?
中川)西側諸国、アメリカや欧州などとの距離感は違っているわけです。自分たち独自のものになると、また少し違ったかも知れませんが、いまの政権からすると、流れとしては(西側と)足並みを揃えるところがあると思います。
I2U2
飯田)以前、中川さんは「インドには2つのクアッドがある」とおっしゃっていましたが、中東方面にも……。
中川)I2U2ですか?
飯田)アメリカ、イスラエル、インド、アラブ首長国連邦(UAE)からなる枠組みです。
中川)「I2U2」という形で行うなど、今回に関しては、彼らにしては一貫性のある立ち位置を取れたところがあると思います。
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