中東研究が専門の国際政治学者で放送大学名誉教授の高橋和夫氏が10月10日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の大規模な戦闘を巡る今後の見通しについて、「イスラエル側にハマスと交渉するつもりは全くない」と解説した。
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イスラム組織ハマスの襲撃で多数が犠牲となった音楽フェスティバルの会場近くに残された車=2023年10月10日、イスラエル南部(ロイター=共同)
ハマスが7日に行った大規模な攻撃への報復として、イスラエルはガザにあるハマスの拠点などへの空爆やハマスの戦闘員の掃討作戦を続けている。ハマス側も断続的にイスラエルにロケット弾を撃ち込んでいて、イスラエル、ハマスの死者は計1600人近くに上っている。
高橋)イスラエルは今、兵士を動員し、戦車を集めています。イスラエルがいつ、ガザ地区へ陸上侵攻を始めるのか。そして侵攻した場合、ガザ地区全体を占領するのか、一部の占領でとどめるのか。そこが最大の焦点になると思います。
また、ハマスに捕まっている人質をどうするのか。人質が殺されても攻撃を続けるのか。どこかのタイミングで、ハマスと交渉するのか。そこも焦点です。
ただ今のところ、イスラエル側にハマスと交渉するつもりは全くないです。