戦略科学者の中川コージが11月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。政府が検討に入る「トリガー条項」凍結解除について解説した。
政府・与党と国民民主党、「トリガー条項」凍結解除検討へ
岸田総理大臣は11月22日の衆議院予算委員会で、ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除に関して、与党と国民民主党との間で検討する考えを表明した。国民民主党の玉木代表が2023年度補正予算案をめぐり、凍結解除を条件に「賛成してもいい」と述べたのに対し、総理は「検討を進めるのは有意義だ」と応じた。
政治用語が多く、わかりにくい岸田総理の発言 ~有権者に伝わりにくい
飯田)トリガー条項は動き出すのでしょうか?
中川)どちらにしても、シンプルにした方がいいですよね。政党もしくは政策として打ち出すのであれば、「トリガー条項の凍結解除を検討する」ではなく、解除するなら「解除」、しないのであれば「解除しない」というシンプルさがあった方が有権者の判断を仰ぎやすいし、我々も言いやすいですよね。
飯田)「検討する」では結局、どちらになるかわからないですよね。
中川)政治的にはそれ以外の答えだと失点する可能性があるから、「検討を進めるのは有意義だ」と言ったのだと思いますが。
飯田)どちらに転んでも言質を取られてしまう。
中川)政権批判をしたいわけではありませんが、政治用語が多すぎると思います。
飯田)政治用語や官僚用語的なものを岸田さんは使いますよね。
中川)極めて多様されます。かつて小泉元総理はシンプルな表現をしましたが、国民にとってはその方がわかりやすい。わかりやすさを求めてはいけないのですが、わかりにくいのは、いいことではありませんよね。今回は「検討」と言っていますが、やはり減税してくれた方がいいという部分も当然あります。
飯田)生活もそうですが、企業にとってもガソリンなどの問題は経営に影響がありますからね。
中川)地方は特に車で移動するので、ガソリン価格は直接響いてきます。政治的にもガソリン価格は敏感な話題なので、だからこそ政治用語を使うのはわかりますが、もう少しわかりやすくして欲しいですね。
「決めないこと」が岸田総理のモットーなのか
飯田)最近は支持率の低下で特に話題になりますが、「説明不足だ」と言われるのは、言葉の使い方の影響もあるのでしょうか?
中川)あるでしょうね。「私としてはこのように持っていきたいけれど、他の意見もあるから検討する」ということであれば、まだいいのです。しかし、今回のように「検討を進めるよう指示した」という言い方だと、本心がないように見えてしまいますよね。
飯田)逆に言うと、岸田総理としては、ありのままを率直に言っているのかも知れない。
中川)決めないこと自体が多分、岸田首相のモットーになっているのだと思います。
飯田)確かに、最初に「国民の声を聞く総理なのだ」と言っていましたからね。
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