自由民主党の平井卓也・広報本部長が12月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。AIを使った最新技術について解説した。
AI道案内ロボットを自ら体験
飯田)平井さんは初代デジタル大臣などを経て、現在は自民党の広報本部長を担当されています。デジタルに関するものをいろいろと取り入れたり、政界でも1~2を争うほどX(旧Twitter)を始めたのが早く、活用されていらっしゃいます。
平井)最近は少しさぼっていますけれどね。
飯田)人工知能(AI)技術に関してですが、10月に目の不自由な方にも優しいスーツケース型の道案内ロボットを、体験会で体験されたらしいですね。
平井)(スーツケース型ロボットの開発を進めている)日本科学未来館の浅川館長は、昔から存じ上げている方です。私はデジタル大臣になる前、第4次安倍改造内閣では科学技術担当大臣を務めましたが、当時から、このスーツケース型ロボットには注目していました。時間を掛けて、徐々に使えるようになってきています。
スーツケースが導くとともに音声でも教えてくれる
飯田)写真ではアイマスクをつけていらっしゃいます。どのように道案内をしてくれるのですか?
平井)スーツケースの持ち手を持ってボタンを押すと、右や左に、スーツケースが自動で動いて目的地に導いてくれるのです。盲導犬と一緒で人間より少し前にいるので、障害物に直接ぶつかることはありません。歩いていると「右に何があります」と音声で教えてくれるので、非常にいいと思います。ただ、段差の問題があるので、そこは怖かったのですが、使っているうちに慣れてしまいます。かなりスピードが早いのです。
飯田)スーツケース型のロボットが自走するのですか?
平井)スーツケースのなかには機械が詰まっていて、ものは入りません。
飯田)スーツケースと言えども。
平井)「スーツケース型ロボット」なので。機械の部分を小さくして、ものを入れるスペースがあるといいですね。
大規模言語モデル(LLM)に関して、政府より先に多くの情報を得て、政策も考えている
飯田)AIの活用については、いろいろなところで話題になっていますが、自民党全体としてもあと押しをしていく方針ですか?
平井)私はデジタル社会推進本部長として、その下に「AIの進化と実装に関するプロジェクトチーム」を設置し、いままでホワイトペーパーも出させていただきました。サム・アルトマン氏をはじめ……。
飯田)ChatGPTの生みの親。
平井)AIの開発者には最初にコンタクトし、総理に会っていただく段取りもこちらでやらせていただきました。大規模言語モデル(LLM)に関して言うと、自民党は政府よりも先にいろいろな情報を得て、いろいろな政策も考えさせていただいています。
大規模言語モデルのAIに「1+1=2」という計算はできない ~「“1+1=2”だ」という世の中の人の発言やデータを持っているだけ
平井)AIについては、大規模言語モデルが急に賢くなって、一般の人が使えるようになったところが大きいと思います。でも、よく考えるとこのモデルは、「1+1=2」という計算はできないのです。「世の中の人はみんな“1+1=2”と言っているぞ」という情報の答えなのです。このロジックを皆さん誤解しています。何かを考えて物事を答えているのではありません。情報のあとにくる確率論だけです。
飯田)相場観のようなものを示している。
平井)そうです。「“1+1=2”だ」というのは、世の中の人の発言やデータでそうなっている。意外とそれが意識されておらず、「すごく賢いものができた」と思われていますが、そうではありません。
飯田)「AIに意思決定させる」というようなものではない。
平井)そんなことをさせてはいけません。壁打ちの相手としては、いちばんいいと思います。
自民党の政策を最も理解しているAI「自民党GPT(仮)」が既に実在している
平井)実は自民党の広報本部は、既にAIを実装しています。開発には数ヵ月ほど掛かりました。日本中のどのAIよりも、自民党の政策をいちばん理解しているAIが存在しているのです。名前はつけていないので、仮に「自民党GPT」とか。ラジオで話してしまいましたが、来年(2024年)はそれを使っているということをオープンにしようと思っています。
飯田)ここで言ってしまって、いいのですか?
平井)いいのです。機能として優れているところは、要するに言葉の選び方です。政策をつくらせることはできないけれど、「ある政策を、誰を相手に優しい言葉で説明するか」という。例えば、「今回の経済対策を小学生にもわかるように」と言うと……。
飯田)つくってくれるわけですか?
平井)それなりのものが出てきます。
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