米消費者物価指数「3.1%上昇」は許容範囲

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内閣官房参与の宮家邦彦と数量政策学者の高橋洋一が12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。前年同月比で3.1%上昇した米消費者物価指数について解説した。

米消費者物価指数「3.1%上昇」は許容範囲

※画像はイメージです

11月の米消費者物価指数、3.1%上昇

アメリカ労働省が12月12日に発表した11月の消費者物価指数は、前年同月比で3.1%上昇となった。上昇率は10月から0.1ポイント低下し、2ヵ月連続で前月を下回った。市場の予想と同じ水準で、インフレの鈍化傾向が改めて示された形となる。

飯田)特にガソリン価格は8.9%減少しました。ブレーキが効いてきた感じでしょうか?

高橋)予想通りですね。

消費者物価指数3.1%上昇は許容範囲

高橋)「このぐらいのインフレ率が何なのだ?」という感じです。「2%以上になるとどうなる」などと言う人がいますが、社会科学だと少しずれて当然です。

飯田)目標2%なので、「3%になったから1%多いではないか」と言う人がいますが、これくらいは許容範囲ですか?

高橋)まったくの許容範囲です。はっきり言うと、4%くらいまでは許容範囲ですね。2%のインフレ率と4%のインフレ率を社会的コストで計算すると、ほとんど変わりません。これで金儲けをしたい人は騒ぐのですが、政策を行っている人から見れば、2%も4%も一緒です。でも、日本は3%ぐらいになったら大騒ぎするでしょう?

宮家)なかなか3%にならなかったからね。

高橋)3%までは誤差のような話で、4%になっても大したことはありません。

飯田)昔の日銀の会議録が出てきていますが、かつては1%ぐらいでも「潜在的なインフレはもっと高い」などと言い、引き締めようとした話がありましたね。

高橋)失業率を見ればわかるので、あの辺りの話は全部嘘ですね。入れ替えてからはまともになってきたけれど、植田総裁が就任し、最近また少し変なことを言い出していますね。

この先、現状維持で利下げは当分ない

飯田)去年(2022年)の6月ごろのアメリカでは9.1%など、すごい数字が出ていましたよね。

宮家)私が気になるのは、これで金利を下げるのかどうかです。FRBがそう判断するかと言うと、微妙な数字ではないかと思います。

飯田)12月12~13日、アメリカの金融政策決定会合であるFOMCが開かれます。市場は「この先、どこで利下げするのだ」と囃し立てますけれども。

高橋)言わないと商売にならないから。学者的に考えたら普通は動かないですよ。

飯田)このまま現状を維持していく。

高橋)ただ、いろいろな話があるから、「少しやってあげようか」となるかも知れません。ただ、何もなければ何もしないのが普通です。

立場によって、微妙に異なる経済状況

飯田)アメリカ経済としては、いま心地いい状態なのでしょうか?

宮家)ただ、ガソリンは下がったけれど、私の知る限りでは家賃や不動産が上がっているし、サービスも上がっていますから、やはり微妙なのでしょう。全体としてはいいのだと思いますが。

飯田)どの立場にいるかで評価がまったく変わってくる。

2024年9月にアメリカの経済状況がどうなっているか

飯田)大統領選挙があるので、バイデン政権は景気を落とすわけにはいかないですよね。

宮家)それはそうですよ。すべて経済であり、アメリカの外交は大統領選挙に関係ないですから。その意味では、「来年(2024年)9月にどういう数字になっているか」が大きいと思います。4年に1度、必ずくることですが。

飯田)来年の9月と言うと……。

高橋)いまから1年先(の経済)ですか? それは読めないですよ。

飯田)神様ではないですからね。

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