「2024年度予算案」112兆700億円程度で最終調整 「財政縮小」も考えなければならない時期にきている

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経済アナリストのジョセフ・クラフトが12月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2024年度予算案の一般会計総額について解説した。

「2024年度予算案」112兆700億円程度で最終調整 「財政縮小」も考えなければならない時期にきている

※画像はイメージです

政府、2024年度予算案を112兆700億円程度で最終調整

政府は2024年度予算案の一般会計総額を112兆700億円程度とする方向で最終調整に入った。当初予算案としては12年ぶりに前年度比マイナスとなる。2023年度予算で新型コロナウイルス対策などのために計上していた5兆円分の予備費を、物価・賃上げ対応分として1兆円に圧縮する。

財務省の想定金利がこれまでの倍近い1.9% ~財政縮小も考えなければならない時期にきた

飯田)これをどう見ますか?

クラフト)12年ぶりの前年度比マイナスは一見いいのですが、国債発行額が35兆円近く、財政負債が大きく赤字であることを認識しなければいけません。

飯田)そうですね。

クラフト)注目すべきは財務省が発表した想定金利です。これだけ赤字があるなかで金利が上がっていくと、これまで1%で保たれていた想定金利が1.5%になり、今回は1.9%と倍近い。現実の金利はそこまで上がっていませんが、財務省としては今後、金利が上がっていくことを織り込んでいる。つまり、返済しなければいけない金利負債が今後さらに増えていけば、さらに財政を圧迫しかねないのです。コロナから明けて、そろそろ財政縮小も視野に入れなければならない時期にきたのだと思います。

飯田)税収についてはここ何年か、円安効果などで予想より上振れしていますね。

クラフト)税収の上振れはいいのですが、いつまでも続くわけではないし、いままた円高に向かっている状況なので、財政管理は重要になってくると思います。弱者の救済などの救済金に関しても、社会保障としてはいいと思いますが、いまだからこそ無駄をなくす必要がある時期だと思います。

必要なところには払って、無駄をなくす

飯田)社会保障に関して、どんどんお金が掛っていく。今回は診療報酬等々、全体的にマイナス改定でしたが、この先も増えていきますものね。

クラフト)薬の値段を下げ、かろうじて診療報酬全体を下げている一方、インフレがまたデフレに戻ってはいけないので、介護労働者など、労働者の賃金がこれからも上がっていきます。さらに財政への圧力が掛かりますから、「必要なところには十分に払い、無駄はなくす」という意識をより一層強める必要があると思います。

飯田)いままでの予算も、基金や予備費で積んでいましたが、使わなかったものがかなりありますよね。

クラフト)そうですね。「結局あれは何だったのだ?」ということになりますし、余分にあると政治側は使いたがるので、財政を減らす方向に行きづらくなります。ぜひとも今後は無駄をなくす方向に見直していただきたいと思います。

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