元日本銀行政策委員会審議委員でPwCコンサルティング合同会社チーフエコノミストの片岡剛士が12月26日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。11月の消費者物価指数について解説した。
11月の消費者物価指数(除く生鮮)、前年同月比2.5%上昇
飯田)12月22日に総務省が発表した11月の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI)は、2.5%上昇しました。どう見たらいいのでしょうか?
片岡)11月については物価上昇率が全般的に下がっているため、物価が安定化しつつあるように見えるのですが、現状はエネルギー価格の低下が大きく効いています。食料やエネルギーを除いた、いわゆる「欧米型コア」と呼ばれている需給バランスをより反映する物価を見ると、前年比2.7%です。
飯田)なるほど。
片岡)ここ数ヵ月は2%台半ばを超えるような展開で、需給バランスを見ると、そんなに物価が大きく変わっているような印象はないと思います。
米欧と比べ、まだ物価上昇率が本格的に下がっていくような展開ではない
片岡)アメリカや欧州、日本などの物価の現状を考えると、アメリカや欧州は2022年の半ばから2023年の頭くらいがピークで、そこから急速に大きく落ちています。食料やエネルギー価格の下落が主な要因ですが、それを除くと4%くらいです。
飯田)4%。
片岡)日本の場合は2023年1月辺りがピークでしたが、それ以降はほとんど横ばいで推移しています。ガソリン代などの政府の補助金対策もあり、3~4%台が全品目ベースの物価上昇率なのですが、その状況がずっと続いており、今回2%台に下がってきたところです。一方で、食料とエネルギーを除く総合は今回2.7%なので、ここが2%台後半で1年間ずっと推移したような展開です。そのため米欧と比べると、まだ物価上昇率が本格的に下がっていくような展開ではないと思います。
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