尖閣諸島を中国から守る高級魚「アカマチ」

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八重山日報編集主幹の仲新城誠氏が12月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。尖閣沖を航行する日数が過去最多となった中国海警局の船について語った。

尖閣諸島を中国から守る高級魚「アカマチ」

※画像はイメージです(アカマチ)

尖閣沖を航行する中国海警局の船、過去最多に

中国当局の船が沖縄県の尖閣諸島周辺の領海のすぐ外側にある「接続水域」を航行した日数は、2022年の336日を上回り、2023年12月に過去最多となった。国境近くで何が起こっているのか。

飯田)石垣島、そして先島諸島をめぐる情勢ですが、今年(2023年)はどういう年でしたか?

仲新城)地元の新聞では、「台湾有事」という言葉が出ない日はないぐらい緊迫感があり、「どのように避難するのか」という議論が活発に行われています。特に尖閣諸島の周辺海域では中国の船が常駐しており、航行した日数が過去最多を更新しました。日本の石垣島などから出ていく漁船が操業しようとすると、常に威嚇行為を受けるような状況なので、かなり空気感が違うと思います。

飯田)中国海警局の公船が大型化していますが、動きなども変わってきていますか?

仲新城)ほぼ連日、4隻体制です。

海保の巡視船に警護されなければ尖閣周辺では安全に漁ができない

飯田)常駐体制が完全にできているのですね。皆さんが漁に出る際は、海上保安庁も当然、対応してくれるのですよね?

仲新城)地元の漁船が出るときは、必ず事前に海保への届け出が必要で、海保も特別に漁船を警護する体制を組みます。逆に言えば、海保の巡視船に警護されないと、日本の領海であるにも関わらず、尖閣周辺では安全に漁ができない状況です。

「尖閣諸島で戦争恐れず」という中国軍中将の発言は重大

飯田)尖閣に関連しますが、共同通信のインタビューによると、中国軍の中将が尖閣諸島をめぐり、戦争にまで言及していました。地元ではどう受け止められていますか?

仲新城)中国は尖閣諸島に関して、以前から「台湾の一部であり、台湾に附属する島々だ」と言っています。中国が台湾に侵攻するのであれば、同時に尖閣諸島も侵攻の対象にするのではないかと、以前から自衛隊をはじめ専門家の間では言われてきました。しかし、改めて中国軍の幹部が公に認めたということで、重大な発言だと思っています。

飯田)この発言を取っても、台湾有事はまさに我が国の有事であると感じます。それに対応するところもあり、石垣では陸上自衛隊の駐屯地が今年開設されました。地元の反応はいかがですか?

仲新城)これだけ情勢が緊迫しているので、守りの体制を確保する意味では「必要だろう」というのが大方の意見です。報道では反対派の意見ばかりがクローズアップされていますが、実際には島の大多数の人たちが受け入れている状況です。

尖閣周辺で獲れる高級魚「アカマチ」がふるさと納税の返礼品に加わる ~定期的に日本の漁業者が尖閣周辺で漁をしているという実態を内外にアピールする

飯田)石垣で何か新しい動きはありますか?

仲新城)県は非常に消極的な姿勢で、尖閣を守るという具体的なアクションを起こさない状況ですし、国も対中国という話になると外交的な配慮が働くので、自治体として石垣市が何をすべきかが大事だと思います。尖閣周辺で獲れる「アカマチ」という高級魚がありますが、石垣市はそれをふるさと納税の返礼品に加えるという取り組みを始めました。「尖閣周辺で獲れた」とアピールしてブランド化したいという地元の考えがあり、申し込みが全国から来れば石垣市の方で漁協に依頼し、出漁してもらうわけです。

飯田)なるほど。

仲新城)定期的に日本の漁業者が尖閣周辺で漁をしているという実態をつくり、それによって日本の実効支配、石垣市の行政区域であることを内外に示す。そういうアピールができるという狙いがあります。

飯田)定期的に漁に向かい、経済活動がしっかり行われていることを国際的にも見せるのは、とても大事ですからね。

仲新城)かつて中国の王毅外相が日本に来たとき、尖閣周辺にいる日本の漁船を締め出すべきだと。「日本周辺で漁をしているのは、政治的な目的がある偽装漁船で、漁業者ではない」と言い放ったわけです。そういうことを言わせていいのかという問題もあります。本当に生業とする地元の漁業者たちが日常的に尖閣周辺に行って、きちんと漁をしている実態があると示すことで、そういう中国側の宣伝も封じることができると思います。

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