外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が1月12日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「2024年に起きないこと」について解説した。
2024年に起きないこと
飯田)宮家さんは産経新聞の連載コラム「宮家邦彦のWorld Watch」で毎年、「今年起きないこと」を書かれています。今年(2024年)も新年早々、能登半島地震や羽田での衝突事故などがありました。なかなか先が読めないところですが。
宮家)毎年、年末年始になると「来年はどうなるのか」という企画が出て、「何が起きますか?」と聞かれるのですが、これがあまり当たらないのです。当たり障りのないことを言っても面白くないではないですか。しかし、起きないことなら予想できると思ったのです。
(1)ネタニヤフ首相は譲歩しない
宮家)そちらの方が予測しやすいので、毎回やっています。今年はどうかと言うと、まず、ネタニヤフ首相は譲歩しない。残念ですが、イスラエルは最後まで徹底的にやります。
(2)プーチン大統領はあきらめない
宮家)そして、プーチン大統領はあきらめない。勝つ気でいるので戦争を続けるでしょう。トランプ氏が(ウクライナへの)支援をやめてしまったら大変なことになりますが、それがない限り、ゼレンスキー大統領もあきらめないと思います。
(3)トランプ氏もあきらめない
宮家)トランプ氏もあきらめないです。いまニューヨーク州で裁判が行われていますが、裁判官にすら毒づいていますから。「こんな状態で大丈夫かな」とは思いますが。
(4)習近平国家主席は静かにしている
宮家)習近平さんは静かにしているのではないでしょうか。軍が混乱している状態で、暴発などできません。暴発と言えば北朝鮮の金正恩氏ですが、公の場に娘さんを連れてきたりして、この人もよくわからないですね。
飯田)ミサイル発射実験に娘を同行させたりしていますね。
(5)温暖化論は止まらない
宮家)今回は2つほど新しい内容を書いたのですが、1つは、温暖化論は止まらないということを書きました。「温暖化」が止まらないのではありません。温暖化が止まらないかどうかの判断は、私には自信がないので。私が言うのは、「温暖化論」は止まらないということです。外交手段として非常に効果的なので、温暖化論はこれからも続くと思います。それから、自民党の派閥はなかなかなくならないという話を書きました。
飯田)温暖化論は、やはりヨーロッパなどが使ってくるのですか?
宮家)温暖化しているとは思いますが、どう見てもヨーロッパにとって、自分たちは傷付かず、アメリカや中国、日本などをいじめるためのいい手段なのです。「ヨーロッパはきちんとやっているぞ」と言い、「お前たちにはやれないだろう」ということです。不愉快だとは思いますが、そうは言っても確かに温度が上がっていることは事実ですから。
飯田)環境は厳しくなっている。
宮家)外交面では、「ヨーロッパにしてやられている」という気持ちがあります。
飯田)しかしヨーロッパも、ロシアから天然ガスが入ってこないとなると……。
宮家)そうです。ドイツもフランスが原子力発電を使っているから原発なしでいられるので、あんなにいい格好をするわけです。
飯田)ドイツでも石炭火力を回すというような話が出ていて、背に腹は代えられない状況なのかも知れません。
宮家)でも、これも外交です。国際政治だと思います。
飯田)使えるものは何でも使うということですか?
宮家)そこはしっかりしています。やはり欧州は外交巧者というか、「悪知恵の働く人たちだな」と思います。
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