米FRB 政策金利据え置き 日米の金利差が縮まり「円高」傾向へ

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作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴と政治ジャーナリストの田﨑史郎が2月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。米FRBの政策について解説した。

米FRB 政策金利据え置き 日米の金利差が縮まり「円高」傾向へ

※画像はイメージです

米FRBのパウエル議長、4会合連続で政策金利の据え置きを発表

アメリカの中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は1月31日、金融政策を決める連邦公開市場委員会(FOMC)の会合を開き、政策金利を据え置くことを決定したと発表した。インフレの鈍化傾向が続いているためで、FRBが金利を据え置くのは4会合連続。パウエル議長は、利下げ開始の判断には「物価上昇率2%への道を進んでいると確信できるような、より多くの証拠が必要だ」と述べた。

日米の金利差は縮まり、円高の傾向に

飯田)利下げに関して、3月の可能性は見えなくなってきたというマーケットの反応もあるようです。アメリカは景気がいい、強いということですか?

青山)一言で言うと景気がいい。事実上、ハイパーインフレの懸念は薄れたけれど、インフレの懸念はまだ続いているから、いきなり利下げはできないのでしょう。ただ、もう2月になりましたが、今年(2024年)1年のトレンドで考えると、日米の金利差は必ず縮まっていきます。

全体的には利下げ傾向のアメリカ

青山)日本の方は、もしかすると4月に「マイナス金利見直し」を行う可能性が出てきました。アメリカも3月の利下げを見送っても、やがては利下げしないと景気の先行きがわからなくなります。また、大統領選挙も絡んでくる。景気がいいと現職が有利になるから、現在の政府とFRBの独立性を担保しながらも、日本政府・日銀の関係と同じように、水面下で連携するわけです。景気を冷やしすぎないよう、特に住宅の金利が高くなりすぎないように、全体的には利下げの傾向が出てきます。去年(2023年)のように日米の金利差が広がって、円が振り回される状況よりは、ややましになるのではないでしょうか。

飯田)やや円高傾向というか、いまよりは少し円高に振れることもあり得る。

青山)そうですね。

飯田)どのくらいの水準か、予想するのは難しいですか?

青山)私は政治部の前は経済部にいましたから、為替と株の予想は、もしも私が紳士であろうとするのなら、してはいけないと思います。「1ドル=何円」とは言えなくても、いまの140円台半ば以降が常識のような時代とは違ってくるでしょう。ただし、かつてのように極端な円高に振れることは、当面はないと思います。

「デフレ脱却宣言」をしても宣言が空回りしたら岸田政権の経済対策は二度と信用されなくなる

飯田)経済全体としては、アメリカ経済が徐々に着陸態勢になっていくなかで、日本は岸田総理の施政方針演説にもありましたが、「賃上げが当たり前になる経済にする」と言っています。この先はどうなりますか?

田﨑)そこは大きなポイントです。いまは円が140円台後半くらいで推移しており、去年、150円を超えたときは野党の人たちが「アベノミクスの失敗だ」と言っていました。でも、円ドル関係は日本とアメリカの金利差によって生じるので、「アベノミクスの失敗とは直接関係ない」ということが今回、立証されたのです。岸田政権にとって、春闘でどのくらい賃上げできるかが、岸田さんが目指してきた「デフレ脱却」の成否を占うことになります。政府はこういう状態にあっても、とにかく経済界を督励して「賃上げ、賃上げ」と言い続けて欲しいですね。

飯田)公正取引委員会も中小企業に「しっかり払えよ」と示しています。岸田総理がどこかでデフレ脱却宣言を出すのではないかと言われていますが、ありそうですか?

田﨑)全体の経済動向次第ですよね。デフレ脱却宣言できたらいいですが、まだ確信は持てません。

青山)先ほど田﨑さんがおっしゃった、アベノミクスへの評価は私も同感です。その上でデフレ脱却宣言に関しては、宣言が空回りしたら、二度とその政権の経済政策は信用されなくなります。実態を動かす方が先です。いまの経済状況は宣言で引っ張れるものではありません。

飯田)春闘にかかっていますか?

青山)私の本音を言うと、春闘という古い仕組みに依存しているようでは、本当の賃上げ、物価高を追い越してくれるような状態にはなりにくいと思います。

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