黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「黒木瞳のあさナビ」(2月26日放送)に俳優の田中道子が出演。一級建築士の資格について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「黒木瞳のあさナビ」。2月26日(月)~3月1日(金)のゲストは俳優の田中道子。1日目は、最難関国家資格である一級建築士の試験とその勉強について---
黒木)ドラマやバラエティなど、いろいろなところでご活躍なさっている田中さんですが、2022年12月に国家資格である一級建築士の試験に合格されました。超難関で、合格率10%弱だそうですね?
田中)学生のころから建築の勉強をしていて、いずれ一級を取って建築の仕事をしてみたいという気持ちはありました。今回は受験条件が緩和されたのがきっかけでしたが、コロナ禍でおうち時間が増えたこともあり、チャレンジして無事に合格することができました。
黒木)もともと二級建築士の資格をお持ちだったそうですが、大学生のころに取られたのですか?
田中)卒業してすぐに取りました。
黒木)一級建築士と二級建築士では、何が違うのでしょうか?
田中)建設できる規模が全然違います。二級だと家の範囲では2階建てとか、条件付きで3階建てまでの建物しか扱えないのです。
黒木)でも、二級でもつくれるのですね?
田中)家はつくれます。
黒木)一級だとどうなるのですか?
田中)一級だと何でもOKになります。
黒木)ビルなどでも?
田中)ビルもそうですし、駅など、何でも。
黒木)だから難しいのですね。
田中)一級と二級で試験の難解さが大きく違うのは、規模による責任感の違いかも知れません。
黒木)試験の内容もまったく違うのですか?
田中)やることはほとんど一緒ですが、科目が1つ増えますし、内容も高度になります。計算問題でも、二級のときには見たこともないような数式も出てきて、「理解するのに何ヵ月かかるのだろう?」という感じでした。製図を書く試験では、私のときは「7階建てのビルを設計しろ」という問題でした。「このくらいの大きさの部屋が欲しい」などというクライアントの要望を全部当てはめ、なおかつ法律もクリアするという建て方なので、空間をイメージする力は身に付いたと思います。
黒木)設計図だけで、頭のなかに3次元の空間が出来上がるのですか?
田中)設計図を見れば大体わかります。まだヒヨコの状態で、一人前ではありませんが。
黒木)でも資格がないと建築物をつくれないわけですからね。
田中)これから勉強していこうと思っているところです。
黒木)コロナ禍がきっかけで始めたそうですが、お仕事もしながら勉強もされていたのですから、大変だったでしょう?
田中)「1分の時間も無駄にできない」という強迫観念が常にあって、頭も心もストレスフルではありました。
黒木)それでも、始めたからにはやり遂げようと思ったわけですよね?
田中)自分でやり始めたことなので、終わる理由を探すのも自分で見つけるしかないのですが、諦めることはできませんでした。とにかく受かったときのことを想像して、ストレスと闘いながら過ごす日々でした。
黒木)体調を管理し、ドラマや舞台などのお仕事を優先すると、勉強が最後になってきますよね。
田中)「本業の俳優業が勉強に左右されないように」ということだけは絶対に守ろうと決めて受験しました。勉強は二の次、三の次になるのですが、そのあとに家事や自己管理がくるので、体調を崩さないよう気を付ける日々でした。
黒木)大好きな漫画やゲームをやめたそうですね。私も漫画やゲームが大好きなので、田中さんのように「そこまでストイックにできるかな?」と思ってしまいました。
田中)あれが2年も3年も続くとなると、厳しかったと思います。合格発表のときは雄叫びをあげたいくらいの気持ちと、安堵感からの深いため息が混在しましたが、「抜け出せた」という気持ちの方が大きかったです。
田中道子(たなか・みちこ)/俳優
■1989年生まれ。静岡県出身。
■「ミス・ワールド2013」の日本代表に選出され、インドネシアで行われた世界大会でベスト30に選ばれる。
■その後はファッションイベントの「GirlsAward」、「TOKYO RUNWAY」、「神戸コレクション」などに出演。
■2016年、「女優宣言お披露目記者発表会」を開き、女優へ転身。
■『六本木クラス』(EX)、映画『極主夫道』、『解体キングダム』(NHK総合)、『新美の巨人たち』(テレビ東京)などに出演する他、『プレバト!!』(MBS/TBS)では水彩画等で才能を発揮するなど多方面で活躍。
■多忙を極めるなか、2022年に最難関国家資格である一級建築士試験に合格。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳