「6月解散」ができなければ、「総裁選立候補」も難しい岸田総理
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが3月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。「次期衆院選は6月が濃厚」とする日本維新の会・馬場代表の発言について解説した。
日本維新の会が党大会を開催 ~馬場代表「次期衆院選は6月が濃厚」
日本維新の会は3月24日に京都市内で党大会を開き、馬場伸幸代表が「自民党に代わる政権政党を目指す」と結束を呼び掛けた。また次期衆院選での与党の過半数割れと、野党第1党の両方を目指す活動方針を決定した。
実質賃金がプラスに転換して消費が上がり、岸田内閣が「支持率が上がってくる」と受け止めれば解散の可能性も
飯田)馬場代表は挨拶のなかで「次期衆院選は6月が濃厚」とも述べています。「解散風が吹くか」というところもありますが。
クラフト)解散は経済とも密接に関連します。今回の春闘で賃上げがあり、6月には定額減税があります。6月までに可処分所得が増え、実質賃金がプラスに転換し、それによって消費が喚起されて「支持率が上がる」という希望が見え始めたら、いよいよ岸田政権も解散する可能性が出てくるかも知れません。
飯田)世論調査が出ましたが、内閣支持率は日経新聞がプラス1ポイントで、読売はほぼ横ばいの25%というところです。
アメリカ訪問とセットで補選を乗り切りたい岸田政権
クラフト)20%台は低いですし、これ以上、落ちようがないところまできています。ただ、4月28日の補選が重要ですので、「ここをどう乗り切るか」がまず大きなハードルだと思います。
飯田)補選が4月の投開票となると、賃上げの数字は出ているけれど、実感はまだないようなタイミングですよね。
クラフト)あまり支持率につながらないのですが、アメリカ議会での演説と、政治資金問題の処罰をどうするかにもよります。アメリカへ行く前に処罰を決めて、「アメリカ訪問とセットで補選を乗り切りたい」という考えではないかと思います。
飯田)外交の部分で得点を上げ、それによって何とか……。
クラフト)外交で得点が上がることは滅多にありません。それでも少しはプラスになるかも知れないし、きちんと処罰できるかどうかによると思います。
政治資金問題の処分をきっちり行えるかどうか
飯田)処分について、総理の国会答弁では「党紀委員会に任せている」と言っています。党内には厳しい処分を求める人もいる一方、野党からは証人喚問を行うべきだという意見もあります。
クラフト)見ている限りでは、世論が納得するような処分には至らないと思います。特に二階氏をどうするのか。二階氏を処分したら、総理も「ある程度の責任があるのではないか」と言われるかも知れない。
飯田)岸田派も当時の会計責任者が罪に問われているわけですよね。
クラフト)「そこに踏み切れるかどうか」というところもあるので、厳しいのではないでしょうか。
自らが辞めるくらいのことをしなければ、政治資金問題は終わらない
飯田)でも、そこがはっきりしなければ、支持率にはつながらない。
クラフト)非常に難しい立場に置かれています。党紀委員会に任せるよりも、総理が「ここまでやるのだ」という意思を示さなければ、世論は納得しません。一方、野党は「次は証人喚問だ」と攻めてきますので、補選では厳しい戦いを強いられることになります。どこかで総理がリーダーシップを発揮し、政治資金問題を断ち切らなければならない。「自分が辞める。だから二階さんも離党だ」というくらいの決断をしなければ、いつまでたってもこの問題は終わりません。
飯田)自分が辞めることになったら、総理・総裁も何もかも……。
クラフト)そこまですれば風向きは変わると思います。しかし、いま見ている限りでは、とてもそういう方向にはならないでしょう。おそらくトカゲの尻尾切りで1~2人が重い処分を受け「終了」とされる気がするので、この問題はまだまだ続くと思います。しかし「6月解散」をするのであれば、4月のうちにある程度けじめをつけないと難しいのではないでしょうか。
6月解散が打てなければ、総裁選立候補も難しい岸田総理
飯田)解散が打てなければ、総裁選立候補も難しくなりますか?
クラフト)もはや9月は厳しいと思います。
飯田)総理としては、ここが勝負どきになる。
クラフト)そうだと思います。4~6月が勝負ですね。
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