政策アナリストの石川和男が9月28日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のポリシーリテラシー」に出演。27日に投開票された自民党総裁選に関連し、岸田政権3年間の政策を振り返って新政権への積み残し課題をジャーナリストの浜田敬子氏と議論した。
9月27日に投開票が行われた自民党総裁選では、石破茂元幹事長(67)が第28代総裁に選出された。10月1日召集の臨時国会で、岸田文雄首相の後継となる第102代首相に指名される。
番組では、2021年10月から続いた岸田政権3年間の政策を振り返った。そのなかで、ゲスト出演したジャーナリストの浜田敬子氏は「異次元の少子化対策」について触れ、「(異次元というわりに)蓋を開けてみると、すごく小粒な政策だった」と言及。「異次元と言うなら、少なくとも例えば皆さんが一番不安に思っている教育費の問題をどうするか。高校無償化は先行する自治体があるが、やはり大学。ここにかかるお金が一番多いが、奨学金の問題も含めて、そこには全くケアがない。さらに、若者の賃金や非正規雇用の問題。ここの給料が上がらないから、結婚も諦め子供を産むことも諦めていっているという、この二つの要素に対してあまり手が打たれてない」と指摘した。
そのうえで、必要な財源について「異次元と言うのであれば、健康保険料に上乗せぐらいでは間に合わない。しかも、そのやり方だと現役世代の負担が大きくなる。申し訳ないが高齢世代にも相応の負担をしてもらうということで、時限的な所得税上乗せだったり、復興税のように少子化税という形を考えられないか」と語った。
これに石川は「『復興税』と言われると、何となく『復興に本気なんですね』と思える。同様に『少子化対策税』も物の言い方で、言葉のセンスの問題かもしれない。そういうセンスが政権にはないのかもしれない」と応じた。
浜田氏は「子供のために子供のいない人がなぜ払わなきゃいけないんだとか高齢者は思うかもしれないが、このまま人口がものすごい勢いで減っていくと労働力が不足するだけでなく、今の社会保障制度がもたなくなるんじゃないかという不安が特に若い世代にあるから、子供を産まなくなっているという悪循環。この不安をどうやって断ち切るかというストーリーを描けなかった」と岸田政権の少子化対策に苦言を呈した。
番組情報
政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
日ごろ、テレビや新聞などで報じられることが少ない専門家ならではの視点やデータを駆使して、歪んだ情報を正し、あなたのリテラシー向上をお手伝いします。
※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』