読み応え抜群!“かっこいい普通の人たち”が登場する女性作家ならではの作品『詩歌川百景』の魅力

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10月20日(日)深夜、バーチャルMC・一翔剣(吉田尚記アナウンサー)がパーソナリティを務めるラジオ番組『ミューコミVR』(ニッポン放送・毎週日曜日23時30分~)が放送。吉田が、吉田秋生による作品『詩歌川百景』のおすすめポイント3つを紹介した。

読み応え抜群!“かっこいい普通の人たち”が登場する女性作家ならではの作品『詩歌川百景』の魅力

番組では、コーナー『サポーターズVR by 小学館』を展開。こちらは、年間500冊以上マンガを読んでいるという吉田が、今誰かにオススメしたい作品を紹介するコーナーとなっており、今回は『詩歌川百景』をピックアップ。小さな温泉町・河鹿沢温泉を舞台に、温泉の管理をする仕事・湯守の見習いとして働く青年・飯田和樹が、旅館の女将や周囲の大人に守られたり翻弄されたりしながら暮らす様を描いた物語となっている。

今回は吉田が、このマンガのおすすめポイント3つを解説した。

吉田:おすすめポイントその1は「読み応え抜群」。

毎回本当にすごいなと思うのが、1話1話で「この話がこういう風に収まっていくんだ」っていうところで、人の気持ちに無理が1箇所もないんですよ。今、4冊目まで出てるんですけど、1話の1番初めに出てきた話が、3話の最後に繋がって出てきたりとか。架空の田舎町の温泉街の1人1人の話を、ずっと追ってるだけなのに、追ってるだけに見えて全然飽きない。「日常は日常に見えて日常ではない」みたいなことが分かるマンガなんですよ。

西井万理那(パートナー):すごい!

吉田:おすすめポイントその2は「女性作家が描く物語が現代の問題に全部接続されている」。

昔から続いてる村っていう設定なんで、「こういうお祭りがある」「こういう言い伝えがある」「昔からこういう理由があって、ここには家が立てられない」とかいろんな話があって。民話とか地方の話とか、いっぱい出てくるんですけど、それが全部、現代の話と繋がってるんですよ。昔の村祭りの話と同時に、ポリティカルコレクトネスとか、地方と東京の問題とか、ルッキズムとか、毒親とか、怪しいセミナーとか、ヤングケアラーとか、そういう問題が全部入ってるんですよ。「どうしてこんなに繋げられるの?」って思うんですけど…。昔、向田邦子さんっていう大小説家がいたんですけど、その頃から、日本人の女性作家じゃないと書けない物語っていうのはあるんですよ。「男性は、やっぱりどうしても書けないな」っていうのがあるんですけど、それをめちゃめちゃ丁寧に詰め込んでるんです。

西井:へぇ~!

吉田:おすすめポイントその3は「かっこいい普通の人たち」。

僕、実は1回、吉田秋生さんにインタビューしたことあるんですよ。この作品は、湯守のおじさんとか、数年前に引っ越してきた小さい女の子とか、町会議員のおじさんとか、街の先生とか、ごく普通の人が、みんなかっこいいの。本当にいろんな人物が、みんないいところ出てきていて、「なぜなんですか?」と聞いたら、「こういう人がいっぱいいればいいのに」って思って、ヒーローとして描いてるんですって。「必殺技を使うばかりがヒーローじゃない」みたいなことで描いていて、ダメな人も、めちゃめちゃリアルにダメなんだよね。「時間をかけてたっぷりマンガを読みたいです」って人に読んでもらいたいですね。

『詩歌川百景』の魅力的な要素3つを語った吉田。この作品は『月刊flowers』にて連載中で、コミックスは最新第4巻が発売中。作品に関する詳細は、ホームページや公式SNSでチェックすることができる。

番組情報

ミューコミVR

毎週日曜日 23:30 - 24:30

番組HP

ニッポン放送初のVRアナウンサー「一翔剣(いっしょう・けん)」がお届けする、カルチャー・エンタメプログラム。YouTube Live上に『VR』空間を展開し、60分のラジオ番組を同時生配信! 一翔剣は、2019年に"HoneyWorks"ヤマコ氏のデザインによるVRアナウンサーとして活動開始。今回、アイドル・アーティストとして活動する西井万理那、末吉9太郎を番組パートナーに迎え、『VR』空間でコラボレーションしていく!!

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