ニッポン放送『垣花正 あなたとハッピー!』(毎週月~木曜日 8~11時)では、9月2日より、ファイザー株式会社(以下、ファイザー社)とのタイアップコーナー『みんなの明日 ~がんと歩む~』を実施。それに伴い、ニッポン放送では、ファイザー社のがん領域を推進するポートフォリオチームの川上氏、ITジャーナリストで『垣花正 あなたとハッピー!』にも出演している三上洋氏にインタビューを行い、コーナーのテーマでもある「がんと、人生」について話を聞いた。

ファイザー社 がん領域ポートフォリオチームの川上氏、ITジャーナリストの三上洋氏
――初めに、ファイザー社でおこなっている「がん」に関する取り組みについて、お聞かせいただけますか?
川上氏:ファイザーが取り組む、『がん治療の未来を変える3つの挑戦』についてお話をさせていただきます。
がんは日本でも、一生のうちに2人に1人が診断される可能性のある病気です。※1ファイザーではがんに立ち向かうために、これまでにない革新的な治療薬を生みだし、より多くの人に届けたいという強い想いで、日々研究開発を進めています。また、患者さんが治験により参加しやすくなるように、検査や服薬がご自宅でできる仕組みを用意しているほか、専門用語も多い治験結果などを、『プレーン・ランゲージ・サマリー』といって、一般の方にもわかりやすいよう平たい言葉でまとめるなど、研究開発を取り巻く環境の改善にも努めております。
製薬企業として治療薬を研究開発するだけではなく、「情報」でも患者さんやそのご家族を支えたいと考えています。例として『がんを学ぶ』というWEBサイトの運営をしており、診断の流れ、治療法、副作用の対処法、利用できる社会制度などを、わかりやすく紹介しております。
さらに、スマートフォン用アプリ『がんと歩む』では、患者さんの体調や気持ちの記録、ご家族との情報共有などができます。こうした「情報」を通じて、少しでも患者さんやそのご家族の支えになりたいと思っております。
※「がんを学ぶ」のリンクはこちら
※「がんと歩む」についてはこちら
がんの告知は、昔ほどではないかもしれませんが、まだ「死の宣告」のようなイメージもあるのが現状です。しかし現在では、医学の進歩により治療を続けながらがんと共に生きることも可能な時代になっています。
そこでファイザーは、がんの治療を続けながらも仕事や趣味などの「自分の人生」「あなたらしさ」を大切にしてほしい、という想いを込めて「がんより、人生。」をキーメッセージとしたプロジェクトを開始することといたしました。
がん「より」と、比較級を使っていますが、決してがんに罹患していること、治療することをないがしろにしているのではありません。今この瞬間も、告知を受けて間もない方、治療に取り組まれている方々がいらっしゃることと思います。メッセージに込めているのは、がんは、治療の進歩や治療選択肢が増えたことなどにより、一人ひとりの人生の一部になりつつあり、人生すべてではないということです。ご本人に限らず、周囲もそれを理解してみんなでがんと共存していく。そうした社会の実現を願っています。
――三上さんも今年の1月に肺腺がんに罹患したことを明かされていました。
そのときの心境や、大変だったことなどを教えていただけますでしょうか
三上氏:私は2024年11月末に人間ドックへ行き、そこで腎臓と肺に大きな影が見つかりました。人間ドックの医師の勧めですぐに病院に行って、年末に腎臓がんの腫瘍を切除して、年明けに肺線がんを放射線や薬で治療しました。現在はどちらのがんも腫瘍がなくなったり小さくなったりしている状況です。
ただ、やはりがんというと昔のテレビドラマのような、死を覚悟しなければならないイメージだったので、がんの進行度を示す分類で最も進行した状態である「ステージ4の疑い」と当初診断された時は、動揺して何もできず茫然自失の状態でした。その後、改めて検査をおこなっていくなどして、多少冷静になっていきましたが、その後、医師からこれからの治療に向けて前向きになれる言葉をかけていただき、そこでようやく戦っていこうと思えました。
――近年の「がん」の実態については、どのような状況でしょうか?
川上氏:厚生労働省が公開した2021年の部位別がん罹患数の調査によると、2021年の1年間にがんと診断された方は約98万8,900人です。男性において罹患が最も多かったのが、前立腺、次いで大腸、肺、胃、肝および肝内胆管の順です。女性において罹患が最も多かったのが、乳房、次いで大腸、肺、胃、子宮の順です。※2また、現在はがん患者さんの約75%が65歳以上、そのうち75歳以上が45%※3と、がんは「高齢化社会の大きな課題」と言われております。
そうした中、日本では以前から国を挙げてのがん対策が進んでおり、2007年に始まった法律に基づくがんの基本計画が、第4期(令和5年度~10年度)に入っています。その計画の中では「誰一人取り残さない」という合言葉を掲げて、3つの柱を強化しています。
がんを知り、がんを予防すること、がん検診による早期発見・早期治療を促すことで、がん罹患率・がん死亡率の減少を目指す。※4
適切な医療を受けられる体制を充実させることで、がん生存率の向上・がん死亡率の減少・全てのがん患者及びその家族等の療養生活の質の向上を目指す。※4
がんになっても安心して生活し、尊厳を持って生きることのできる地域共生社会を実現することで、全てのがん患者及びその家族等の療養生活の質の向上を目指す。※4
「誰一人取り残さない」という言葉を軸に、がん治療後もその人らしく生きていける社会を国全体として目指しているのです。
――三上さんのお話でもあったように、「がん」と診断されたときの精神的な動揺はかなり大きいものだと思います。診断直後は、どのように向き合っていくのが良いのでしょうか?
川上氏:専門医の監修も受けている弊社のWEBサイト『がんを学ぶ』から、がんと診断された直後に大切にしてほしいことを、3つご紹介させてください。
診断直後は誰でも大きなショックを受けますが、心が揺れるのは自然な反応です。大切なのは、1人で抱え込まないことです。素直な気持ちを言葉にして周囲に伝えることが、治療の土台作りになります。※5
主治医の先生に質問することを恐れずに、検査結果や治療の選択肢など気になったことは、遠慮なく尋ねることが大切です。また、主治医の先生以外の意見を聞くセカンドオピニオンによって新しい選択肢が見えることもありますが、その際は「自分に最適な治療を知る」という目的を基に、「治療開始前に相談すること」が重要です。※6
まずは疑問に思っていることをリスト化して、解消されたら線を引いて消していくと、ご自身が前進していることがわかりやすくなります。全国のがん診療連携拠点病院にある、相談支援センターといった公的窓口をご活用いただくことも、1つの方法です。※7
三上氏:診断後は不安なこと聞きたいことが山ほどありますから、知りたいことをリスト化して自分で整理し、それを医師に聞くというのは良いですね。
三上氏:自分の状態を知って適切な治療選択ができ不安解消につながった例でいうと、診療看護師(Nurse Practitioner:NP)さんが一番力になってくれました。医師と看護師の間に立って患者さんについてくれる人で、この方が私の入院時にいろいろなことを気遣ってくれました。
一番ありがたかったエピソードをご紹介すると、私は投与予定だった抗がん剤を、投与直前で別のものにしたんですよ。その理由が、抗がん剤を打つ前にNPさんが来て、「三上さん、もしかしてお酒飲めませんか?」と聞くんです。私は完全な下戸で、お酒を全く飲めないんです。そうしたら、「では、アルコール成分が入っていないものに切り替えます」ということになって、それがとてもありがたかったです。これは、医師レベルの医学的な理解と処置、看護師レベルの患者さんに寄り添う体制があってこそだと思います。
今通っている病院の治療体制や副作用のフォローがきめ細やかということもありますが、NPさんが私個人の事情を見て抗がん剤を変えてくれたということで、精神的にも楽になりました。
――最後に、ファイザー社としての想いを教えていただけますでしょうか?
川上氏:「がんより、人生。」というメッセージを通じて、“がん”の価値観を変え、がんとともに生きていく社会をみんなで共創していくことが使命だと考えております。
がん治療の進歩は目覚ましいものですので、患者さんやそのご家族には、治療の先に希望をもっていただきたいです。
そのために、患者さんの人生がより豊かになるための「自分らしく前向きに生きる姿勢」を、企業として全力で応援し、貢献していきたいと思っております。
また、「もっと早く治療を受けたい」「もっとわかりやすく説明してほしい」「自分で納得して治療を選びたい」という患者さんの声に耳を傾け、それに応えられるような情報提供をしていければと考えています。
――三上さんも、現在闘病中の方へメッセージをお願いいたします。
三上氏:私のがん治療に関してYouTubeで公開したら、怪しげな治療の話や宗教的な勧誘などがたくさん来ました。しかし、日本は国民健康保険で受けられる、科学的に証明された標準治療が非常に進んでおり、実績も確かです。
それでも、がんと診断されたら、誰しもどうしようもなく不安な時期というのが必ずあり、そういうときは何にでもすがりたくなります。皆さんにお伝えしたいのは、不確かな情報に飛びつかないようにしてください、ということです。もし気になるのであれば、まずは主治医の先生に相談してください。
ファイザー社としての想いを熱く語った川上氏と、自身の経験からメッセージを伝えた三上氏の対談は、がんとつき合う上で大切なことを私たちに教えてくれる非常に重要な内容となった。ファイザー社が伝える「がん」について知っておくべき様々な話は、タイアップコーナー『みんなの明日 ~がんと歩む~』の中でも聴くことができる。
<出典>
※1 「がん対策推進基本計画」(令和5年3月28日閣議決定).pdf:P1 (2025/08/21 参照)
※2 厚生労働省 「全国がん登録 罹患数・率 報告 2021」:P15 (2025/08/21参照)
※3 「がん対策推進基本計画」(令和5年3月28日閣議決定).pdf:P33 (4)高齢者のがん対策 (2025/08/21 参照)
※4 「がん対策推進基本計画」(令和5年3月28日閣議決定).pdf:P3-4 全体目標と分野別目標 (2025/08/21 参照)
※5 ファイザー株式会社 がんを学ぶ がんと診断されたら 診断結果の上手な受け止め方 (2025/08/21 参照)
※6 ファイザー株式会社 がんを学ぶ がんと診断されたら 主治医に質問してみましょう (2025/08/21 参照)
※7 ファイザー株式会社 がんを学ぶ がんと診断されたら 情報の集め方 (2025/08/21 参照)
提供:ファイザー株式会社
2025年9月作成
ONC45P006A